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資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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117 脊髄空洞症
○ 概要
1.概要
脊髄内に空洞(syrinx)が形成され、小脳症状、下位脳神経症状、上下肢の筋力低下、温痛覚障害、自律
神経障害、側弯症など多彩な神経症状、全身症状を呈する疾患であり、種々の原因で発症する。
2.原因
キアリ(Chiari)I 型奇形、種々の dysraphism(脊椎ひれつ)を伴うもの、繋留脊髄、頭蓋頸椎移行部の骨奇
形など、外傷後の脊髄空洞症、癒着性脊髄くも膜炎に続発するものなどがある。なお、髄内腫瘍に伴うもの
は、腫瘍組織に伴う嚢胞として、脳脊髄液の循環動態の異常を基盤とする空洞症と区別されている。
3.症状
空洞のある脊髄領域の温痛覚を含めた表在感覚障害がある一方、振動覚や関節位置覚が保持され(解
離性感覚障害)、左右差があるのが特徴である。その他に自律神経症状、空洞が拡大すると錐体路徴候、
後索の障害もみられるようになる。
4.治療法
内科的薬物療法、理学療法、外科的に大孔部減圧術、空洞-くも膜下腔短絡術などの手術が行われる。
対症的治療としての手術療法は一定程度確立しており、手術療法により臨床症状が寛解する症例もある。
しかし、根治療法ではないので、脊髄内の空洞は完全には消失せず残存する例がある。手術療法後も疼
痛等の感覚障害などの後遺症により継続的な治療を必要とする症例も存在する。
5.予後
治療により寛解が得られる場合もあるが、継続的な治療が必要な場合もある。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 3,000 人
2. 発病の機構
不明
3. 効果的な治療方法
未確立(対症的治療は確立しているが、根治療法はない。)
4. 長期の療養
必要(治療により寛解が得られた場合には不要であるが、継続的な療養な場合もある。)
5. 診断基準
あり(神経変性疾患に関する調査研究班)

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