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資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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105 チャージ症候群
○ 概要
1.概要

CHD7 遺伝子のヘテロ変異により発症する多発奇形症候群である。発症頻度は、出生児 20,000 人に1人
程度に発症する希少疾患である。C-網膜の部分欠損(コロボーマ)、H-心奇形、A-後鼻孔閉鎖、R-成長障
害・発達遅滞、G-外陰部低形成、E-耳奇形・難聴を主症状とし、これらの徴候の頭文字の組み合わせによ
り命名されている。
2.原因
チャージ症候群の原因遺伝子は、8番染色体 8q12.1 に存在する Chromodomain helicase DNA binding
protein-7(CHD7)であるが、多系統にわたり障害が発症する機序は不明である。
3.症状
①成長障害や精神発達遅滞はほぼ必発である。成長障害は出生後に顕著となる。一部の症例に成長ホル
モン分泌不全を伴う。
②70%程度に先天性心疾患を認める。
③顔面の非対称性(顔面神経麻痺症状)を認める。左右の耳介の形態も異なることが多い。眼険瞼下垂、
上額前上顎部の低形成(Premaxillary Underdevelopment)、下顎低形成(PierreRobin シークエンス)、口
唇口蓋裂などの合併あり。これらの奇形に加えて、咽頭・喉頭の協調運動の低下により、 哺乳障害・嚥
下障害を来す。
④片側ないし両側性の虹彩・網膜・脈絡膜・乳頭のコロボーマ(欠損)はほぼ必発である。
⑤耳垂の無又は低形成などの耳奇形に加え、感音性・伝音性又は混合性難聴を認める。
⑥膜性・骨性の後鼻孔閉鎖(狭窄)を認める。口蓋裂の合併例も多く、その場合には後鼻孔閉鎖を認めな
い。
⑦停留精巣・尿道下裂,陰唇の低形成・二次性徴の欠如など性器低形成(~70%)
4.治療法
多臓器に合併症を来すため、多面的な医療管理を必要とする。乳幼児期早期の生命予後を決めるのは
先天性心疾患と呼吸器障害である。速やかに、気道(後鼻孔・口蓋・喉頭・気管)、心臓の評価と治療を進
める。必要に応じて、後鼻孔閉鎖・狭窄に対する外科的治療を行う。喉頭の構造異常等により上気道閉塞
を生じる場合には気管切開を行う場合もある。多くの患者では嚥下機能が低下しており、周術期には誤嚥
に注意する。成長障害・発達遅滞を合併することから栄養・成長・療育等の問題について、早期介入・継続
的なフォローを必要とする。哺乳障害・摂食障害が続く場合には経管栄養・胃瘻造設をおこなう。
5.予後
成長障害・発達遅滞に加えて視力障害、心不全・チアノーゼ、呼吸障害、性腺機能不全、難聴などを合併

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