よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

本症は検査に以下の特徴があるが、現時点では有症状期の確定診断が難しいため、とりあえず治療を開
始(栄養の変更)して症状改善を観察すべきと思われる。
a) 質の高いリンパ球刺激試験で基準値を越える値
b) 便粘液細胞診にて、好酸球が石垣状に見られる
c) 腸粘膜組織検査で多数の好酸球を認める (400x で 20 個以上、視野数 22)
d) 末梢血好酸球増加、平均+3SD 以上の高値では診断価値が高い
e) 牛乳特異的 IgE 抗体 (FPIES の初発時陽性率は 32.1%である 10)
f) (パッチテスト、プリックテストは研究段階にある。)
a)~c)のいずれかが陽性の場合は単独で検査から“強い疑い症例”とする。a)~c) が陰性又は検査が行え
ない場合、d)、e)が共に陽性の場合にも“強い疑い症例”とする。d)、e)のいずれかひとつが陽性の場合“疑
い症例”とする。a)~e)全てが陰性であっても本症を否定することはできない。このときも負荷試験で確定診
断が可能である。
末梢血好酸球は平均+3SD 以上(簡単にいえば 30%以上)の高値では単独で強い疑いとするべきである
(後述)。
Step3.治療乳への変更:以上から本症を疑い、治療乳に変更する。同症であればすみやかに症状が改善す
ることが多い。牛由来ミルクで発症した場には母乳、母乳で発症した場合は加水分解乳、アミノ酸乳を選択
する。炎症が慢性化している場合は、数週間症状が遷延する場合もある。加水分解乳においてもアレルギ
ー症状を示す症例が少なからず存在する。重症感のある場合は、最初からアミノ酸乳とすべき場合もある。
Step4.体重増加の確認:治療乳にて1か月ごとに、症状が見られず、体重増加が良好であることを確認す
る。同時に保護者の疑問、不安に答えて、自信を持って養育できるように導く必要がある。
Step5.確定診断のための負荷試験:症状寛解後2週間~5か月で、確定診断のためにミルク負荷テストを行
う。発症時の症状から重症であるとみなされる場合、保護者が望まない場合は負荷を延期したり、行わない
こともある。事前にプリックテスト、特異的 IgE 検査により、I 型アレルギーの危険性を予測しておく。負荷
試験の詳細は後述する。
また、本症は米、大豆、小麦などに対しても反応を起こすことがあるため、離乳食に備えてこれらの負荷
テストを家庭などで行うとよい。
2.好酸球性食道炎の診断指針
1.症状(嚥下障害、つかえ感等)を有する。
2.食道粘膜の生検で上皮内に 2015/HPF 以上の好酸球が存在している。
(生検は食道内の数か所を行うことが望ましい。)
3.内視鏡検査で食道内に白斑、縦走溝、気管様狭窄を認める。
4.CT スキャンまたは超音波内視鏡検査で食道壁の肥厚を認める。

- 4-