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資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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ピリジン、イグラチモドなど)の併用や、生物学的製剤(エタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブ、アバタ
セプトなど)の併用を行う。欧米ではヤヌスキナーゼ阻害薬であるトファシチニブが承認されている。関節破
壊が進行した例では関節形成術や人工関節術が考慮される。ぶどう膜炎に対しては、ステロイド点眼を中
心とした局所治療が第一選択となる。局所治療に抵抗性/再発性の例では、ステロイドの全身投与や免疫
抑制剤(MTX 抑制薬(メトトレキサートなど)、生物学的製剤(アダリムマブ、インフリキシマブなど)が必要と
なる。
両型とも成人期に至った患者の半数で免疫抑制剤抑制薬と生物学的製剤の併用が必要で、複数薬剤
による疾患コントロールが必要である。成人患者においては他の生物学的製剤(アバタセプト、インフリキシ
マブ、ゴリムマブ、セルトリツマブペゴル)の有用性も報告されている。妊娠・授乳を希望する症例では、胎
児・乳汁に影響の少ない治療薬への変更を検討する。
5.予後
全身型の約 10%は活動期にマクロファージ活性化症候群への移行が認められ、適切な治療がなされな
ければ播種性血管内皮管内凝固症候群・多臓器不全が進行して死に至る。
関節型の 16%は活動性関節炎が残存し、日常生活・社会活動・就労は制限される。また慢性疼痛が残
存するため、心理社会面への影響も大きい。関節破壊による関節機能障害、関節可動域低下が進行する
と関節手術が必要で(罹患 45 年で約 75%)ある。ぶどう膜炎は治療中でも半数に活動性を認め、難治例で
は失明の危険性を伴う。ぶどう膜炎患者の半数が 10 年以内に眼科手術を受けており、眼内レンズ挿入術
が最多である。手術症例では、耐用年数の問題から 20~30 年後に人工関節・人工レンズの再置換手術が
必要となる。治療を減量・中止すれば容易に再燃するため、長期的な治療および重症度に応じた生活制限
を要する。死亡率は 0.3~1%とされており、マクロファージ活性化症候群、アミロイドーシス、感染症による
ものが報告されている。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 8,000 人
2. 発病の機構
不明(個人の疾患感受性、自己免疫異常、自然免疫系の異常などの関与が示唆されている。)
3. 効果的な治療方法
未確立(抗炎症作用や免疫調整機能をもつ薬剤が使用されるが、いずれも対症療法である。)
4. 長期の療養
必要(関節炎病態は進行性・破壊性で、ぶどう膜炎も寛解せず、継続治療が必要であるため。)
5. 診断基準
あり(Edmonton 改訂 ILAR 分類基準 2001、日本リウマチ学会承認の診断基準)
6. 重症度分類
研究班による重症度分類を用いて、いずれかに該当する場合を対象とする。

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