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資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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1)全身型若年性特発性関節炎
<診断基準>
Definite を対象とする。
A.症状
1.16 歳の誕生日以前に発症した6週間以上持続する慢性の関節炎で、2週間以上続く弛張熱を伴う。
2.次の項目の1つ以上の症候を伴う。
a 典型的な紅斑
b 全身のリンパ節腫張
c 肝腫大又は脾腫大
d 漿膜炎
3.本人および家族に乾癬を認めない。
<診断のカテゴリー>
Definite:A1~3のすべてを満たすもの
<参考所見>
A.症候と検査所見
・ 弛張熱、リウマトイド疹、関節炎を主徴とする全身型若年性特発性関節炎は、しばしば胸膜炎、心膜炎、
肝脾腫を伴う。
・ 末梢血液検査の変化として白血球数の著増を認めるが、好中球が全分画の 80~90%以上を占め左方
移動は認めず、血小板増多、貧血の進行などが特徴である。
・ 赤沈値も CRP も高値である。血清アミロイド A も高値となる。また炎症が数か月以上にわたり慢性化す
ると、血清 IgG も増加する。
・ フェリチン値が増加する例も多い(著増例では、マクロファージ活性化症候群への移行に注意)。
・ IL-6/IL6R が病態形成に重要であることが判明している。
B.診断の手順
1.本病型は、発病初期には診断に難渋する。とくに関節炎や典型的皮疹を欠く例では、様々な鑑別診断
が行われる必要がある。血液検査でも特異的な検査項目はない。家族歴、現病歴の聴取を詳しく行う必
要がある。
2.弛張熱、発熱と共に生じるリウマトイド疹、関節炎の存在を明らかにすることが前提条件である。また、
関節炎症の詳細な臨床的把握(四肢・顎関節計 70 関節+頚椎関節の診察)が不可欠である。ついで鑑
別診断を行う。
3.血液検査による炎症所見の評価(赤沈値、CRP)を行う。また、マクロファージ活性化症候群への移行
に、注意深い観察と検査値の変化への対応が重要になる。
C.鑑別診断
・ 感染症:急性感染症、菌血症・敗血症、伝染性単核球症、伝染性紅班
・ 感染症に対するアレルギー性反応:ウイルス性血球貪食症候群

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