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資料1-2-7診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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資料1-2-7
(診断基準等のアップデート案(見え消し))

98 好酸球性消化管疾患

取扱注意

○ 概要
1.概要
消化管を主座とする好酸球性炎症症候群(Eosinophilic Gastro-Intestinal Disorder:EGID)は、新生児~乳
児における食物蛋白誘発胃腸炎 (ここでは日本における Food-Protein Induced Enterocolitis Syndrome
という意味で N-FPIES と呼ぶ。)、幼児~成人における好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性胃腸炎(EGE)の
総称である。特に新生児期~乳児期の患者は、1990 年台末から急激に増加していると考えられている。ま
た、EGE は本邦に特に患者が多い。診断法、治療法が確立していないことから、多くの患者が苦しんでいる。
新生児~乳児における食物蛋白誘発胃腸炎(N-FPIES)では 10%の患者は、生命にかかわる重大な合
併症を引き起こすため、緊急の治療が必要となる。治療困難症例の場合、症状は一生続く。
幼児~成人における好酸球性食道炎(EoE)では、嚥下障害のために日常生活が障害されるとともに、長
期経過例では、食道狭窄を起こし観血的な治療が必要となる。
幼児~成人における好酸球性胃腸炎(EGE)は胃-大腸に至る重要な臓器が障害されるが、欧米では症
例数が少ないこともあり、診断治療研究が進んでいない。多くの患者を抱える我が国で研究を進歩させる
必要がある。60%程度の例で再発を繰り返し、慢性化してステロイド依存性となるなどして薬剤治療にとも
なう様々な副作用が問題となる。日本では好酸球性胃腸炎(EGE)は、以前から症例報告が多いが、好酸
球性食道炎(EoE)は少ない。逆に欧米では好酸球性食道炎(EoE)が多く、EGE は少ない。世界的に EGE
の診断治療法に関する研究は遅れている。
2.原因
免疫反応の異常により、消化管で炎症が起きることが原因である。この免疫学的異常についての詳細は
明らかになっていないが、消化管において好酸球の著明な浸潤が見られることが特徴である。
3.症状
新生児~乳児における食物蛋白誘発胃腸炎(N-FPIES)は、主に反復する嘔吐、下痢、血便、体重増加
不良が見られ、10%の重症者は腸閉塞、腸破裂、低蛋白血症、発達遅滞、ショック(循環不全)などを合併
する。
幼児~成人における好酸球性食道炎(EoE)は、食道のみに炎症が見られ、食物が飲み込みにくい、つ
かえ感などを生じる。
好酸球性胃腸炎(EGE)は、全消化管に炎症が及ぶ可能性があるが、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、血
便、体重減少、腹水などが見られる。また、重症者では、消化管閉塞、腸破裂、腹膜炎を起こすことがある。
4.治療法
新生児~乳児における食物蛋白誘発胃腸炎(N-FPIES)は、炎症の引き金となっている食物を同定できた
場合は、これを除去することで改善することが多い。しかし、この同定は困難な場合も多く、これが不可能な
場合、炎症は持続する。

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