2218

おわりに

2219
2220

○ 以上が、介護保険制度の見直しに関する本部会の意見である。

2221
2222

○

厚生労働省においては、この意見書の内容を十分に踏まえて見直しの内容の具体化を

2223

図り、法改正が必要な事項については、関連法案を国会に提出するほか、運営基準や令和

2224

９年度介護報酬改定で対応すべき事項については、介護給付費分科会等での議論に付す

2225

など、制度見直しのために必要な対応を速やかに講じられることを求めたい。

2226
2227

○ 今回の制度見直しは、全体として、

2228

・ 2040 年に向けて、
「時間軸」
・
「地域軸」の両視点から、地域における人口減少・サー

2229

ビス需要の変化に応じ、全国を「中山間・人口減少地域」
、
「大都市部」
、
「一般市等」と

2230

主に３つの地域に分類して、テクノロジー等も活用し、その地域の状況に応じたサービ

2231

ス提供体制や支援体制を構築すること

2232

・

頼れる身寄りがいない高齢者等や複合的な課題を抱える世帯の増加等が見込まれる

2233

中、高齢者が抱える複雑化・複合化した課題を地域で受け止め、関係者が専門性を十分

2234

に発揮しながら地域課題の実効的な解決につながる取組を推進すること

2235

・ 一層の高齢化の進展に伴い介護給付費の急増が見込まれる一方、サービスの担い手で

2236

ある現役世代が急減していくという非常に厳しいフェーズに対応し、介護保険制度の

2237

財政的な持続可能性に加え、足下の介護人材確保と介護現場の生産性向上による職場

2238

環境改善、経営改善支援、多様なニーズに対応した介護基盤の整備によりサービスの質

2239

の確保や基盤整備、職員の負担軽減を図り、サービス提供の持続可能性を高めること

2240

を目指すものである。

2241
2242

○ 「2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会において整理された福祉サー

2243

ビス（介護サービス、障害福祉サービス、保育）の共通課題等に対する方向性も踏まえ、

2244

今般、福祉部会等とも議論を相互に報告・連携しながら議論を取りまとめた。福祉サービ

2245

ス間の連携は今後一層重要となるものであり、さらには介護や福祉以外の地域資源、例え

2246

ば高齢者の移動支援・買い物支援等の住民サービス・公共サービス、地域におけるまちづ

2247

くりや交通等の取組との連携が図られ、包括的な支援体制の整備、ひいては地域共生社会

2248

の実現に向けた取組が効果的に進められることが重要である。

2249
2250

○ 市町村においては、介護保険の保険者として、また、住民に最も身近な基礎自治体であ

2251

り地域包括ケアシステムの構築を主導する存在として、2040 年に向けて中長期の視点に

2252

立ち、地域の実情を踏まえた介護サービスの維持・確保など、介護保険制度を適切に運営

2253

するとともに、地域課題の解決に向けたネットワーク構築など、地域づくりに資する様々
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