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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (86 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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どによって異なるため、国際的に統一された評価法の開発・普及は進んでいない。比較的よく用い
られるものとして、Lawton の IADL 評価法や Frenchay Activities Index (FAI)がある。また、IADL
を中核に含む評価法として、老研式活動能力指標、JAST 版活動能力指標がある。
・Lawton らの IADL 評価法
Lawton ら 33)の IADL 評価法は、1960 年代に開発され、その後に開発された評価法の基礎とな
っている。8項目から構成され、女性は8項目すべてに回答するのに対して、男性はそのうち5項
目についてのみ回答する 33)34)。IADL への関わりが男女で異なっているという前提で、男女間で評
価項目(質問内容)が異なる点が特徴的であるが、時代とともに生活様式は開発された時期とは変
化してきており、性差を勘案することは必ずしも妥当ではないとの意見もある。
・Frenchay Activities Index (FAI)

15 項目から構成され、評定尺度は 4 段階で各項目共通である 35)。日本語版も開発されているが、

日本人には日常的作業といえない項目が含まれている点が問題となることがある 36)。
・老研式活動能力指標・JST 版活動能力指標
高齢者を対象とした評価尺度としては、東京都老人総合研究所が開発した老研式活動能力指標
や老研式活動能力指標を基盤に新しく開発された JST 版活動能力指標

37)

38)がある。いずれの指標と

も、高齢者の活動能力全般を測定することが目的のため、IADL 以外の項目が含まれている点に注意
が必要である。
7. がんのリハビリテーション診療の実際.
7-1. リハビリテーション診療の進め方
リハビリテーション医療の最大の特徴は、患者を臓器レベルのみでとらえるのではなく、個人や
社会的レベルにおいても評価を行い、多職種チームで治療にあたるところにある。病気は治ったも
のの、その後に残された運動障害を中心とする様々な障害に対してリハビリテーション医療を行う
には、従来の国際疾病分類(ICD)による医学的モデルでは不十分であることから、リハビリテーシ
ョン医学においては、1980 年に WHO によって制定された国際障害分類(ICIDH)およびその発展
版である国際生活機能分類(ICF)にもとづいて、問題点を機能障害、活動制限、参加制約の 3 つの
レベルに分け、リハビリテーションプログラムを作成する 39)(図 2)。
リハビリテーション診療を進めて行く上での基本的な流れを図 3 に示した 40)。

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