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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q4

化学療法と放射線療法時の栄養管理はどうするのか?

A4

体重減少抑止、経口摂取改善、生活の質の維持のため、早期に栄養介入を開始する。

【 解説 】
欧州臨床栄養代謝学会 (The European Society for Clinical Nutrition and Metabolism:
ESPEN)ガイドラインでは、年齢を問わず、放射線治療や化学療法を受けるがん患者への積極的な
栄養療法を推奨している 1)。3 週間の放射線治療を受けたがん患者では 39%で低栄養を認めると報
告されている 2)。放射線治療を受ける頭頸部がんおよび大腸がんの患者においては、早期からの栄
養カウンセリングによって、摂食量、体重、栄養状態のみならず QOL の改善も得られた 3)4)。高
齢の進行肺がん患者においては、初診時にすでに半数以上ががん悪液質の診断基準を満たし、化学
療法中も体重減少と骨格筋減少が既報同様に進む 5)6)ため、早期から個別の栄養サポートを立案し
てゆく必要がある 7)。

文献
1)

Arends J et al. de vander. ESPEN guidelines on nutrition in cancer patients. Clin Nutr.
2017; 36:11-48.

2)

Koom WS et al. Nutritional status of patients treated with radiotherapy as determined by
subjective global assessment. Radiat Oncol J. 2012;30:132-139

3)

Isenring EA et al. Nutrition intervention is beneficial in oncology outpatients receiving
radiotherapy to the gastrointestinal or head and neck area. Br J Cancer. 2004;91:447-452

4)

Ravasco P et al. A prospective, randomized, controlled trial in colorectal cancer patients
undergoing radiotherapy. J Clin Oncol. 2005;23:1431-1438

5)

森 麻理子, 他. 全身化学療法を施行された高齢進行非小細胞肺がん患者におけるがん悪液質の
頻度ならびに経口摂取量についての検討. 病態栄養学会誌. 2017;20:205-213

6)

青山 高, 他. 自家造血幹細胞移植化学療法における栄養療法の有用性. 静脈経腸栄養.
2013;28:67-73

7)

Aoyama T et al. Comparison of Nutrition-Related Adverse Events and Clinical Outcomes
Between ICE (Ifosfamide, Carboplatin, and Etoposide) and MCEC (Ranimustine,
Carboplatin, Etoposide, and Cyclophosphamide) Therapies as Pretreatment for Autologous
Peripheral Blood Stem Cell Transplantation in Patients with Malignant Lymphoma. Med
Sci Monit Basic Res. 2018;24:31-39

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