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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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14 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー
○ 概要
1.概要
慢性炎症性脱髄性多発神経炎/は、8 週以上にわたる慢性進行性あるいは再発性の四肢の筋力低下・
感覚障害を主徴とした末梢神経疾患である。
多巣性運動ニューロパチーは、2か月以上にわたる慢性進行性あるいは階段性、再発性の左右対称性
の四肢の遠位、近位筋の筋力低下・感覚障害、筋萎縮を主徴した原因不明のとする末梢神経疾患である。
病因は、末梢神経ミエリンの構成成分に対する免疫異常により生ずる自己免疫性疾患と考えられているが、
詳細は不明である。
2.原因
末梢神経のミエリン構成成分に対する自己免疫によって発症すると考えられている。多発性硬化症の合
併が見られることもあり、末梢神経での類似の発症機序が想定されている。
3.症状
臨床症候慢性炎症性脱髄性多発神経炎は、四肢の運動障害(手足の脱力、筋力低下)、感覚障害(手足
のしびれ、痛み感覚低下)を認め、まれに呈する。脳神経障害、自律神経もが障害されることもある。明確
な病型臨床症状が左右対称で、筋力低下が遠位筋だけでなく近位筋にも分布する典型的 CIDP(typical
CIDP)とそれ以外の CIDP variants の大きく 2 つに分類される。CIDP variants にはないが、亜急性又、distal
CIDP、multifocal CIDP、sensory CIDP、motor CIDP、focal CIDP が含まれる。
多巣性運動ニューロパチーは慢性(2か月から数か月以上)に進行する型(慢性進行型)、再発と寛解、
筋力低下、筋萎縮を繰り返す型(再発寛解型)が呈し、感覚障害を欠く。症状の分布は通常非対称性で、初
発部位は上肢である。四肢の腱反射は低下あるいは消失する。脳脊髄液検査では蛋白細胞解離を認める。
また、ステロイド療法、血漿浄化療法、免疫グロブリン静注療法などの免疫療法後の臨床症状の改善は、
診断を支持するものであることが多い。
4.治療法
慢性炎症性脱髄性多発神経炎は、ステロイド療法、血漿浄化療法、免疫グロブリン静注療法などの療法、
血液浄化療法が標準治療として確立されている。
多巣性運動ニューロパチーは、免疫グロブリン療法。根治治療はないが標準治療として確立されている。
ステロイドは増悪の要因となりうる。
5.予後
慢性進行性や再発性の経過をとることが多く、筋萎縮や重度の身体障害に陥ることが多い。呼吸障害や
褥瘡よりの感染により死亡する例も見られる。自然寛解もときに見られる。

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