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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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21 ミトコンドリア病
○ 概要
1. 概要
ミトコンドリア病は、ミトコンドリア機能が障害され、臨床症状が出現する病態を総称している。ミトコンドリ
アはエネルギー産生に加えて、活性酸素産生、アポトーシス、カルシウムイオンの貯蔵、感染防御などにも
関わっているため、ミトコンドリア病ではこれらの生物学的機能が変化している可能性がある。しかし、現在
のところ、ミトコンドリア病における機能異常の主体はエネルギー産生低下と考えられており、そのエネルギ
ー代謝障害による病態が基本である。
2.原因
ミトコンドリア病の病因は、核 DNA 上の遺伝子の変異の場合とミトコンドリア DNA(mtDNA)の異常の場合
がある。核 DNA 上の遺伝子は、既すでに 200 近い遺伝子の変異が同定されている。
一方、環状の mtDNA 上には、欠失/重複、点変異(質的変化)とともに、通常一細胞内に数千個存在し
ている mtDNA の量が減少しても(量的変化)病気の原因になる。既すでに mtDNA 上に 100200 個を超える
病的点変異が同定されている。
3.症状
代表的なミトコンドリア病の病型は、主に特徴的な中枢神経症状を基準に診断しているが、実際はこれら
全身の臓器症状を合併して持つもつ症例や中枢神経症状がない症例も多数存在している。
代表的な臓器症状は、以下に示すようなものになるが、これらを組み合わせて持っている患者は、ミトコ
ンドリア病が疑われ診断に至るいたることが多いが、単一の臓器症状しかみえない患者では、なかなか疑
うことすら難しく、確定診断に至るまで時間を要することがまれでない。

中枢神経
骨格筋
心臓

痙攣けいれん、ミオクローヌス、失調、脳卒中様症状、知能低下、
偏頭痛、精神症状、ジストニア、ミエロパチー
筋力低下、易疲労性、高 CK 血症、ミオパチー
伝導障害、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト(WPW) 症候群、心筋症、
肺高血圧症



視神経萎縮、外眼筋麻痺、網膜色素変性



肝機能障害、肝不全




ファンコーニ Fanconi 症候群、尿細管機能障害、糸球体病変、ミオグ
ロビン尿
糖尿病、外分泌不全

血液

鉄芽球性貧血、汎血球減少症

内耳

感音性感音難聴

大腸・小腸
皮膚
内分泌腺

下痢、便秘
発汗低下、多毛
低身長、低カルシウム血症

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