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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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2.家族性アミロイドニューロパチー
(1)概念
初期には末梢神経と自律神経に高度のアミロイド沈着が起こり、進行期には、心臓、消化管、腎臓も障
害される。主要病像は多発性ニューロパチーと自律神経機能不全である。沈着するアミロイド蛋白質は I
と II 型では変異トランスサイレチン、III 型は変異アポリポ蛋白 AI、IV 型では変異ゲルソリンである。また
新たに変異型β2 ミクログロブリンもアミロイド原蛋白質として報告されている。
(2)主要事項
①主要症状
(a)感覚障害
左右対称性に、下肢又は上肢末端から始まる。温度覚、痛覚が早く、かつ強く侵され(解離性感覚
障害)、振動覚、位置覚は進行期に侵される。手根管症候群で発症する場合もある。
(b)運動障害
感覚障害より2、3年遅れて出現し、筋萎縮、筋力低下が下肢又は上肢末端から始まる。
(c)自律神経系の障害
1.陰萎(男性)
2.胃腸症状(激しい嘔気・嘔吐発作、ひどい便秘と下痢の交代、不定な腹痛、腹部重圧感)
3.起立性低血圧(立ちくらみ、失神)
4.膀胱障害(排尿障害、尿失禁など)
5.皮膚症状(皮膚栄養障害、発汗異常、難治性潰瘍)
6.心障害(心伝導障害による不整脈、心不全)
②発病は緩徐で、経過は漸次進行性である。
③遺伝様式
常染色体優性(問診のみでは遺伝歴が不明なことがある)
④組織所見
末梢神経、胃・直腸、口唇、皮膚、腹壁脂肪の吸引生検でアミロイド沈着を認める。
(3)参考事項
①発病年齢は通常 20~40 歳台であるが、集積地以外の家系は 50 歳以後の高齢発症である。
②初発症状は四肢末端のしびれと自律神経障害
③感覚障害が体幹に及ぶと、胸腹部に島状の感覚低下領域を認める。
④心障害、腎障害は遅れて出現し、次第に心不全、尿路感染症、尿毒症を合併し、悪液質となる。
⑤瞳孔の不整、対光反射の消失を認めることがある。
⑥硝子体混濁を初発症状とすることがある。
⑦末梢神経、皮膚、胃・直腸などの臓器生検で
項目

臨床症候

検査所見

心アミロイドーシ

心不全症状(息切れ、浮

心房細動、刺激伝導系障害(房室ブロック、脚ブロック、心室

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