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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (69 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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全身性アミロイドーシスの中で、原発性アミロイドーシスと多発性骨髄腫に合併するアミロイドーシ
スの半数以上に皮膚症状がみられ、診断の手がかりになる。アミロイドの沈着しやすい眼瞼、頸、
頭、外陰及び肛門周囲に、沈着量に応じて米粒大位の丘疹から大きな腫瘤まで生じる。硬く、黄
色調を帯び、しばしば紫斑を伴う。強皮症様に硬くなることもある。
(3)生検
皮膚・腎などで疑わしい病変があれば生検する。そのような部位がなければ内視鏡下の胃・十二指腸生
検、直腸生検が望ましい。胃生検は胃前庭部で粘膜筋板以下まで深めにとることが重要であり、十二指
腸では球部後壁から採取する。また、従来から行われている直腸生検では浣腸後(通常はグリセリン浣
腸液 120mL でよい)、直腸後壁から粘膜下組織を含む小片をとる。また近年、腹壁の脂肪吸引生検
(abdominal fat aspiration biopsy)が広く行われている。臍周囲部の腹壁を局麻後、18 ゲージの注射針で
脂肪層を強く吸引して脂肪滴を得て、スライドガラス上に脂肪滴を数個載せて2枚のスライドガラスで押し
つぶすようにして塗抹標本を作製し、乾燥後に検討を行う。生検組織は、ヘマトキシリン・エオシン染色の
ほかにアルカリコンゴ赤染色をし、またその標本を偏光顕微鏡下で観察する。偏光観察には簡単に普通
顕微鏡に装着できる偏光板が安価で市販されている。アミロイドは、緑色の強く輝く複屈折を呈する。免
疫組織化学的染色で AL、AA、トランスサイレチンを証明することができる(もし、不可能ならば専門家に
連絡することが望ましい。)。電子顕微鏡観察も有用であり、それが不可能ならば小片を2%グルタール
アルデヒドで固定し、4℃に保存して、専門家に連絡することが望ましい。
(4)免疫グロブリン性、反応性 AA 及び老人性 TTR アミロイドーシスの疑いのある患者で避けるべき検査
①肝生検
出血の危険がある。
②多量のベンス・ジョーンス蛋白尿があるときは IVP(経静脈腎孟撮影)で無尿を誘発する危険がある。
(5)診断のカテゴリー
①旧病名:老人性全身性アミロイドーシス(senile systemic amyloidosis: SSA)
疾患概念
ATTRwt アミロイドーシスは、野生型 TTR が原因となり、主として心臓、腱・靭帯組織(手根管、黄色靭帯など)、
腎、甲状腺、末梢神経、肺など諸臓器に病態を生じる。60 歳以上の男性に多い。加齢が発症に関与していると
考えられているが、詳細な病態は不明である。国内には本症と適切に診断されていない症例が多く存在すると
考えられる。TTR 四量体安定化が本疾患の心症候の予後を改善すると報告されている。

全身性 ATTRwt アミロイドーシスの診断基準
Definite , Probable を対象とする。
A. 臨床症候及び検査所見

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