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費-1参考2 (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59554.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第70回 7/16)《厚生労働省》
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2=1.2QALY(完全に健康な状態で 1.2 年生存したのと同じ価値)と計

の改善や生存期間の延長などアウトカムの改善を通じた間接的な

算される。時間とともに QOL 値が変化する場合、図のように QOL

生産性損失は含めないこととし、入院期間の短縮など医療技術に直

値の経時変化をあらわす曲線下面積が獲得できる QALY となる。

接起因するもののみを含めてもよいこととしている。

増分費用効果比
増分費用を増分効果で割ったものを増分費用効果比( ICER)とい
う。以下の式により、治療 B と比較した場合の治療 A の ICER が算
出される。

ICER =
図 QALY の概念図

人的資本法
生産性損失を、本来得られたであろう賃金に基づき推計する方法
を人的資本法( human capital method)と呼ぶ。しかし、完全雇

IC
IE

=

CA - C B
EA - E B

IC: 増分費用

CB: 治療 B の期待費用

IE: 増分効果

EA: 治療 A の期待効果

CA: 治療 A の期待費用

EB: 治療 B の期待効果

効果指標 1 単位獲得するあたり、いくらかかるかを表す指標であ
り、値が小さいほど費用対効果はよい。

用が実現されていない状況下では、その人が働けなくてもかわりの
誰かが働くはずであり、長期的には必ずしも生産性が失われるわけ
ではない。そのため、社会における生産性がもとの水準に回復する
までにかかる摩擦費用( friction cost)のみを含めるべきという意
見もある。賃金は、疾病により実際に労働できなかった期間を調査

追加的有用性

することにより推計すべきであるが、そのような作業が困難な場合

費用効果分析を実施するにあたっては、増分費用効果比を算出す

は、家事労働を含めたデータが存在しないため就業率を 100%とし

る前に、比較対照技術と比して追加的有用性等を有することを示す

て取り扱ってもよい。また、賃金の単価については、公平性の観点

必要がある。追加的有用性を示す際の効果指標については、必ずし

から、実際の単価にかかわらず全産業・全年齢・全性別の平均賃金

も費用効果分析における効果指標と同一である必要はないが、臨床

を用いる。

的に意味のあるものを選択する必要がある。追加的有用性を有す
ると判断される場合は、費用効果分析により ICER を算出する。一
方で、追加的有用性を有すると判断できない場合は、いわゆる CMA
により費用の比較を実施する。

生産性損失
病気が原因で仕事や家事ができなくなることによる社会的な損
失(あるいは早期に回復できることによる社会的な便益)は生産性
損失(productivity loss)として、分析の立場によっては費用に含め

非関連医療費

ることができるが、基本分析では含めないこととしている。また、

医療費は、評価対象技術によって直接影響を受ける関連医療費

生産性損失の範囲としては、本人のみならず家族等による看護や介

( related medical cost)と生命予後の延長等により間接的に影響

護(インフォーマルケア)について検討してもよい。ただし、本ガイ

されるもの、あるいは当該疾患と関連しないもの等の非関連医療費

ドラインでは、効果との二重計上になる恐れがあること等から病態

(unrelated medical cost)とに分類できる。例えば、高血圧治療に

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