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費-1参考2 (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59554.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第70回 7/16)《厚生労働省》
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や、適切な統計手法(例えば、単純な( naïve)間接比較ではなく調整

エビデンスレベル
エビデンスレベルに は 様々な 分 類 法 が 存 在 す る が、Minds
( Medical Information Network Distribution Service)では以下のよ

された( adjusted)間接比較)を使用することが必要である。また、
ネットワークメタアナリシス(あるいは多群間治療比較( multiple
treatment comparison:MTC)とも呼ばれる)のようなより高度な
手法を用いた分析についても検討しうる。

うに定めている。

I

システマティック・レビュー /RCT のメタアナリシス

II

1 つ以上の RCT による

III

非ランダム化比較試験による

IV a 分析疫学的研究(コホート研究)
IV b 分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)

感度分析
不確実性が存在する場合等に、パラメータの値を変化させること
により、結果への影響を見ることを感度分析という。1 つのパラメー

V

記述研究(症例報告やケース・シリーズ)

タを変化させる一次元感度分析、2 つのパラメータを同時に動かす

VI

患者データに基づかない、
専門委員会や専門家個人の意見

二次元感度分析、複数のパラメータの不確実性を同時に取り扱う

ただし、RCT のような実験的研究が現実の臨床成績と乖離してい

るパラメータの値を算出することを閾値分析( threshold analysis)

PSA(確率的感度分析の項を参照)などがある。また、閾値を超過す
る可能性はしばしば指摘されている。エビデンスレベルの高いもの

と呼ぶ。

の使用を原則としつつも、状況に応じた適切なデータによってを採
用する必要がある。

システマティックレビュー
確率的感度分析

システマティックレビュー( SR)とは特定の課題について文献等
を網羅的に探索し、可能な限りバイアスなくその結果や評価報告す

確率的感度分析( Probabilistic sensitivity analysis:PSA)は、モ

る手法である。Minds によれば『実際の作業面から定義すると、SR

デルのパラメータに分布を当てはめること等により、増分費用や

とは「クリニカルクエスチョンに対して、研究を網羅的に調査し、研

増分効果、ICER の分布を得るための手法である。確率的感度分析

究デザインごとに同質の研究をまとめ、バイアスを評価しながら分

の結果は、費用効果平面上に散布図をプロットし、CEAC として

析 ・ 統合を行うこと」』とされる。

f(γ)=Pr(γ・IE - IC >0) を書くことが一般的である(IC:増分費用、IE:
増分効果、γ:支払意思額)。

しばしば SR とメタアナリシスが混同して使用されることもある
が、SR において得られた結果は必ずしも統計的に統合する必要は
なく、このようなものを「定性的システマティックレビュー」と呼ぶ
こともある。結果を統合することが適切な場合は、SR の結果に基づ
き、メタアナリシスを実施することとしている。

間接比較
例えば臨床試験によって “A vs. B” と “A vs. C” の結果が得られて

な お、SR(メタアナリシス)の 報 告 様 式 と し て は、国 際 的 に
PRISMA( Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and
Meta-Analyses)声明が標準的に使用されている。

いるとき、これらの結果から直接比較のない “B vs. C” の結果を推測
することを間接比較(indirect comparison)と呼ぶ。適切な比較対照
を用いて分析しようにも直接の比較試験がない場合、間接比較を適
用することができる場合がある。
間接比較が成り立つためには “A vs. B” の結果が “A vs. C” の集団

質調整生存年

にも適応できること、逆に “A vs. C” の結果が “A vs. B” の集団にも適

質調整生存年( QALY)は、生存年に QOL 値を乗じることによ

応できることが条件となる。このことを同質性(similarity)の仮定と

り得られる。QOL 値が 1 は完全な健康を、0 は死亡を表す。QOL

呼ぶ。間接比較を行うにあたっては、このような仮定に関する検討

値 0.6 の健康状態で 2 年間生存した場合、生存年は 2 年だが、0.6 x

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国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター(C2H)