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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html |
出典情報 | がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》 |
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果から得られる配列情報および診療情報を集約し、データベースを厳格に管理・運営するた
めにがんゲノム情報管理センター(Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics,
以下 C-CAT)が設立され、がんゲノム医療を行う病院とデータを共有し、がんゲノム医療
の質の確保・向上に役立てるとともに、大学などの研究機関や製薬会社などの企業で行われ
る研究開発のための基盤を提供している。これは、日本人のゲノム情報および診療情報の収
集による医療開発への応用という大きな目的を達成するため、保険診療の検査で得られる
これらの情報を収集することが、保険適用の要件として求められたためである。
がん遺伝子パネル検査の保険適用後すでに 6 年が経過した現在、がんゲノム医療のリテ
ラシーのレベルは確実に向上し、すでに 282 の医療機関でがん遺伝子パネル検査が実施さ
れている(がんゲノム医療中核拠点病院 13 施設、がんゲノム医療拠点病院 32 施設、がんゲ
ノム医療連携病院 237 施設、2025 年 6 月 1 日現在)
。また、すでに 102,424 件が C-CAT に
登録され(2025 年 4 月 30 日現在)、そのゲノムデータと臨床情報が C-CAT に収集されてい
る。利活用においても、69 の医療機関や企業で 118 課題の研究が実施され、有用な学術成
果が産み出され、既承認抗がん薬の適用拡大などへの薬事利用も開始されている。これらの
成果は大いに評価すべきものであることは間違いない。
一方、がん遺伝子パネル検査の本来の性能を適切に患者に届けるには未だ解決されてい
ない様々な課題がある。中でも、本検査の実施が標準治療終了後(終了見込みを含む)の
タイミングに制限されていることから、全身状態や臓器機能の悪化により本検査の結果に
基づいた治療に結びつく割合が低いことが大きな課題である(8.2%, 2024 年 12 月 4 日ま
でのデータ2))
。第 4 期がん対策推進基本計画(2023 年 3 月 28 日閣議決定)では、全体
目標である「誰一人取り残さないがん対策を推進しすべての国民とがんの克服を目指す」
という達成目標が掲げられ、その中の「がんゲノム医療」について国が取り組むべき施策
として「必要な患者が、適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査等及びその結果を踏ま
えた治療を受けられるよう、既存制度の見直しも含め検討する」ことが掲げられている。
日本臨床腫瘍学会・日本癌治療学会・日本癌学会による次世代シークエンサー等を用いた
遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス ver 2.1(2020 年 5 月 15 日発出)において
も、
「がんゲノムプロファイリング検査はいつ行うべきか?」のクリニカルクエスチョン
に対し、
「治療ラインのみでがんゲノムプロファイリング検査を行う時期を限定せず、そ
の後の治療計画を考慮して最適なタイミングを検討することを推奨する」とされている
。しかしながら、2020 年、2022 年、2024 年の診療報酬改定において、日本臨床腫瘍学
1)
会等多くのがん関連学会から、がんゲノムプロファイリング検査の実施タイミングの制限
の撤廃を要望してきたにもかかわらず、依然として標準治療終了後(終了見込みを含む)
のタイミングでの実施に限定されている。この状況は、患者に適切なタイミングで適切な
薬剤を届ける本検査の目的からは望ましくなく、早急に改善すべき重要な課題である。
今後は、第 4 期がん対策推進基本計画に記載されているように、誰一人取り残されない
がんゲノム医療を実践するために、これまでの固形がんにおけるがん遺伝子パネル検査の
成果と課題を整理し、患者に最適な医療を提供するという本来あるべき医療の姿として、が
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めにがんゲノム情報管理センター(Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics,
以下 C-CAT)が設立され、がんゲノム医療を行う病院とデータを共有し、がんゲノム医療
の質の確保・向上に役立てるとともに、大学などの研究機関や製薬会社などの企業で行われ
る研究開発のための基盤を提供している。これは、日本人のゲノム情報および診療情報の収
集による医療開発への応用という大きな目的を達成するため、保険診療の検査で得られる
これらの情報を収集することが、保険適用の要件として求められたためである。
がん遺伝子パネル検査の保険適用後すでに 6 年が経過した現在、がんゲノム医療のリテ
ラシーのレベルは確実に向上し、すでに 282 の医療機関でがん遺伝子パネル検査が実施さ
れている(がんゲノム医療中核拠点病院 13 施設、がんゲノム医療拠点病院 32 施設、がんゲ
ノム医療連携病院 237 施設、2025 年 6 月 1 日現在)
。また、すでに 102,424 件が C-CAT に
登録され(2025 年 4 月 30 日現在)、そのゲノムデータと臨床情報が C-CAT に収集されてい
る。利活用においても、69 の医療機関や企業で 118 課題の研究が実施され、有用な学術成
果が産み出され、既承認抗がん薬の適用拡大などへの薬事利用も開始されている。これらの
成果は大いに評価すべきものであることは間違いない。
一方、がん遺伝子パネル検査の本来の性能を適切に患者に届けるには未だ解決されてい
ない様々な課題がある。中でも、本検査の実施が標準治療終了後(終了見込みを含む)の
タイミングに制限されていることから、全身状態や臓器機能の悪化により本検査の結果に
基づいた治療に結びつく割合が低いことが大きな課題である(8.2%, 2024 年 12 月 4 日ま
でのデータ2))
。第 4 期がん対策推進基本計画(2023 年 3 月 28 日閣議決定)では、全体
目標である「誰一人取り残さないがん対策を推進しすべての国民とがんの克服を目指す」
という達成目標が掲げられ、その中の「がんゲノム医療」について国が取り組むべき施策
として「必要な患者が、適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査等及びその結果を踏ま
えた治療を受けられるよう、既存制度の見直しも含め検討する」ことが掲げられている。
日本臨床腫瘍学会・日本癌治療学会・日本癌学会による次世代シークエンサー等を用いた
遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス ver 2.1(2020 年 5 月 15 日発出)において
も、
「がんゲノムプロファイリング検査はいつ行うべきか?」のクリニカルクエスチョン
に対し、
「治療ラインのみでがんゲノムプロファイリング検査を行う時期を限定せず、そ
の後の治療計画を考慮して最適なタイミングを検討することを推奨する」とされている
。しかしながら、2020 年、2022 年、2024 年の診療報酬改定において、日本臨床腫瘍学
1)
会等多くのがん関連学会から、がんゲノムプロファイリング検査の実施タイミングの制限
の撤廃を要望してきたにもかかわらず、依然として標準治療終了後(終了見込みを含む)
のタイミングでの実施に限定されている。この状況は、患者に適切なタイミングで適切な
薬剤を届ける本検査の目的からは望ましくなく、早急に改善すべき重要な課題である。
今後は、第 4 期がん対策推進基本計画に記載されているように、誰一人取り残されない
がんゲノム医療を実践するために、これまでの固形がんにおけるがん遺伝子パネル検査の
成果と課題を整理し、患者に最適な医療を提供するという本来あるべき医療の姿として、が
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