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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html
出典情報 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》
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能とする根拠は、エキスパートパネルでの議論がその解釈の精度を担保しているためであ
る。一方、エキスパートパネルでの議論を経ず省略する場合は、その精度を担保する必要が
あるが、一般に、エキスパートパネルでの議論では AMED 医薬品等規制調和・評価研究事
業「遺伝子パネル検査によるコンパニオン診断システムの標準化に向けた検討」(永井班)
からの提言「遺伝子パネル検査の分析学的同等性評価に係る留意点について」14)を参考にし
て、各がん遺伝子パネル検査の分析性能を考慮して判断がなされている。
諸外国では、分析性能が担保されている検査であれば、Laboratory Developed Test(LDT)
の根拠のもと、異なるがん遺伝子パネルであっても、主治医判断で CDx として使用可能で
あり合理的な運用を行っている。
しかし、
わが国では LDT の運用は議論されているものの、
制度化されていないため、薬事承認されていない CDx 対象のバリアントを搭載したがん遺
伝子パネル検査の分析性能が担保されていたとしても、エキスパートパネルを実施しなけ
ればならず、患者への検査結果返却の遅延、さらには治療開始の遅れにもつながる可能性が
ある。
すでにエビデンスレベル A のバリアントは簡略化の対象であることから、本3学会合同
ゲノム医療推進タスクフォース/ワーキンググループでは、分析性能を考慮したうえで、エ
キスパートパネル省略可能なエビデンスレベル A のバリアントをリスト化した(表1-2、
別添)
。この情報を C-CAT 調査結果に記載することでエキスパートパネルを実施したと同
等の解釈の質の担保ができ、エキスパートパネルの省略が可能となるのではないかと考え
る。
また、エビデンスレベルにかかわらず、推奨する薬剤、治験等がない場合もすでに簡略化
の対象であることから、C-CAT 調査結果にそれを明記することにより省略が可能と考える。
以上のように、エビデンスレベル A のバリアントの解釈が、本3学会合同ゲノム医療推
進タスクフォース/ワーキンググループが作成する省略可能としたリスト(表1-2、別添)
とそれを反映した C-CAT 調査結果に基づき、主治医(担当医)判断で薬剤投与の適応を判
断できるようになれば、エキスパートパネルの負担が軽減され、がん遺伝子パネル検査を実
施する医療機関も拡大することが期待できる。これは、第 4 期がん対策推進基本計画(2023
年 3 月 28 日閣議決定)で示されている「必要な患者が、適切なタイミングでがん遺伝子パ
ネル検査等及びその結果を踏まえた治療を受けられるよう、既存制度の見直しも含め検討
する」という国の施策にも合致するため、早急に対応することが望まれる。
C-CAT 調査結果においては、エキスパートパネルが省略可能なバリアント、エキスパー
トパネルで議論したほうがよいバリアントなどが明確に記載され、より臨床医が判断しや
すくなるものに改訂されることが望まれる。
なお、ここで述べるエキスパートパネル省略可能なバリアントについての議論は、エビデ
ンスレベル A や治療につながるバリアントがない場合などの症例を想定しており、エキス
パートパネルで議論が必要な症例を想定していない。


エキスパートパネル構成員に関する要件を緩和し、診療現場の状況に即した柔軟な対

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