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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html
出典情報 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》
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経験するが、どの患者が二次治療、三次治療に到達可能かどうかを予見することは困難であ
る。したがって、主治医または担当医が、標準治療終了(終了見込みを含む)のタイミングを
適切に判断し二次治療以降につなげることが、適切ながん薬物療法を提供するためには重
要である。そのため、診療 WG からの「ゲノムプロファイル目的としてがん遺伝子パネル
検査を実施する際の標準治療終了(見込みを含む)の臨床的解釈に関する見解」では、主治医
(または担当医) が、一次治療開始後の適切なタイミングで「標準治療終了(見込みを含む)」
を臨床的に判断し、がん遺伝子パネル検査によるゲノムプロファイル検査を実施する必要
があることが示されている 10)。
これらの整理によって、CDx 実施後の標準治療終了(終了見込みを含む)の解釈が主治医
(または担当医)によって医学的に判断できることから、CDx 実施後の治療経過中の患者の
転院や急変により D006-19 がんゲノムプロファイリング検査 (44,000 点)から CDx 時の
保険点数を引いた残り分とエキスパートパネルの結果を説明した際の B011-5 がんゲノム
プロファイリング評価提供料(12,000 点)を算定できなくなる懸念が軽減されると期待でき
る(図2)
一方、CDx に基づく薬剤の使用は、
「薬物治療に不応になった場合」と制限されること
も多いため、すべてのがん種において標準治療開始前にがん遺伝子パネル検査を実施する
ことはないと考える。すなわち、CDx の実施タイミングは、それに紐づく薬剤の保険適用
条件にも左右される。また、CDx を実施する際に、結果返却までの時間の短さやコスト面

から従来の個別の CDx で十分な場合や免疫組織化学染色などの他の方法で行われる場合も
あり、がん遺伝子パネル検査が標準治療開始前に必ずしも必要ではないことも多い。
(がん
遺伝子パネル検査に搭載されている CDx 機能の運用に関しては、3の項で詳しく解説す
る)
。さらに、治療薬へのアクセスを向上させるために、特に二次治療以降で使用できる薬
剤の選択や治験などの臨床試験への参加による治療の機会を増やすためにも、プロファイ
ル検査としてがん遺伝子パネル検査を使用する場合は、主治医(または担当医) が一次治療
開始後の適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査を実施することも重要である (図3)。
そのためには、診療 WG から「ゲノムプロファイル目的としてがん遺伝子パネル検査を実
施する際の標準治療終了(見込みを含む)の臨床的解釈に関する見解(2025 年 3 月 14 日)

に沿って、患者の全身状態や病勢を見極めながら、治療薬へのアクセスを確保するために

10)

主治医(または担当医)の判断で適切なタイミングで、がん遺伝子パネル検査を実施すること

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