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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html
出典情報 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》
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41%(54/131)と合わせると、77%(95/131)の施設がエキスパートパネルの負担を感じ
ている現状が浮き彫りになった。特に、人員が少ない中、数多くのがん医療を実施している
医療機関においては、エキスパートパネルに供する資料の準備や実施にかかる時間的な負
担が課題と考えられる。エキスパートパネルの負担を減らすためには、すでに5で示したよ
うに、質を担保したうえでエキスパートパネルを省略できる症例を選別するとともに、プロ
ファイル検査結果の解釈に悩む症例のみを、エキスパートパネルで検討する効率化によっ
て負担軽減ができる可能性がある。
このような課題が改善されれば、がん遺伝子パネル検査に搭載されている CDx を実施す
る医療機関の拡大によって保険適用薬へのアクセスが向上し、ゲノム医療の恩恵を受ける
患者が増えることが期待できる。また、将来的には、がん遺伝子パネル検査はそれぞれの医
療機関で完結できるような体制構築が必要であり、これらの課題に関して今後継続的な検
討が必要であると考える。


専門家が判断したがん遺伝子パネル検査に基づく推奨薬を投与可能にする枠組みを作

る必要がある
現状:現在、エキスパートパネルで議論されるエビデンス B~D のバリアント(表 4)に
推奨される薬剤の多くは保険適用外薬である。それらのバリアントに対する治験や先進医
療などが実施されていれば、薬剤にアクセスできるが、治験や先進医療などがないバリアン
トも多い。しかし、治験や先進医療などがないエビデンス B~D のバリアントのなかでも症
例報告等で治療効果が期待できる場合もあり、エキスパートパネルでの議論によって治療
薬が提案されることがしばしばある。その場合は、既承認薬の適応外使用(オフラベルユー
ス)となるが、多くの医療機関では、我が国の保険医療制度上の規制(混合診療禁止の原則)
から、保険適用外使用を実施していないのが現状である。
米国や欧州では、生命に関わる疾患の場合、治験終了から承認申請までの間に人道的に未
承認薬を提供するコンパッショネート・ユース制度が整備され、患者1人でも申請できる
Single Patient IND の制度がある。この制度では、手続きが迅速で、速やかに(申請から1
週間程度で)薬剤が提供される。また、この制度を利用した治療において有害事象が発生し

ても承認申請には影響しないことが担保されている。一方、我が国でも同様の制度は拡大治
験として実施可能であるが、主たる治験の実施後又は実施中の薬剤・患者が対象となってお
り、臨床試験として実施することが求められるとともに、拡大治験で発生した有害事象は承

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