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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html |
出典情報 | がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》 |
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C-CAT に登録されているが、臨床情報の入力率や質の担保は依然として不十分である。信
頼性の高い臨床情報を収集することは、産業利用や学術利用に資するものであることから、
この点も十分考慮して、質の高い臨床情報を収集する体制を再検討し、入力率の向上とデー
タの質の担保ができるよう最適化を検討すべきである。
11 診療上の特性を考慮し、入院中患者でも検査を申し込めるよう DPC 対象外にすべき
である
現状:小児がん患者の多くなど、入院での検査が必要になる場合がある。しかし、現行の
診療報酬算定では、検査申し込み時の「D006-19:がんゲノムプロファイリング検査(44,000
点)」は、入院時に DPC に包含され算定できない。
あるべき姿: 小児がん患者などの入院中に出検が必須の状況においては、その診療上の
特性から入院での適切な算定も可能とすべきである。2025 年 2 月に保険適用となった「造
血器腫瘍又は類縁疾患ゲノムプロファイリング検査」においては、中医協の議論の中で、
DPC 制度における取り扱いについて検討がなされ、その疾患特性から入院下で実施できる
ことが望ましいとの結論に至り、次回の診療報酬改定までの措置として包括算定でなく出
来高算定となっている。小児がん患者においても同様の議論のもと、入院中でも適切な算定
が可能になることが必要と考える。
12 ドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグを解決できるような検査実施体制にすべきである
現状:がん遺伝子パネルの実施要件は、標準治療終了(終了見込みを含む)を含むタイミ
ングに制限されているため、がん遺伝子パネルを受ける多くの患者はすでに複数のがん薬
物治療を受けている。新薬開発の治験においては、治療ラインに制限があるものが多く、我
が国で行うがん遺伝子パネル検査において、治験対象となるバリアントが見つかっても、治
療ライン数の制限により参加できない場合もある。すなわち、標準治療終了(終了見込みを
含む)のタイミングでは、全身状態や臓器機能が悪化し、受けられる治験であってもその適
格基準を満たさない場合もある。このような理由で治療ができない患者が 10~30%存在す
ることが報告されている 4-6)。2025 年 2 月 28 日に実施されたがんゲノム医療中核拠点病院
等連絡会議において公開されたがん遺伝子パネル検査に基づく治療のうち、企業治験での
治療は 13.2%(839 人/6343 人)、医師主導治験での治療は 4.2%(268 人/6343 人)とその割合
は保険診療で実施した 71.1%(4534 人/6343 人)と比べても少なく、改善すべき点である。
この状況は、患者リクルートの面でグローバルの新薬開発の流れに完全に乗りおくれ、我が
国で治験を行うメリットがない状況を生み出している可能性がある。その結果として、ドラ
ッグ・ロス、ドラッグ・ラグの問題にもつながっている可能性も否定できない。
あるべき姿:標準治療以外での薬剤アクセスの機会を増やすためにも、治験への参加の
機会を増やす必要がある。そのためには、治療ラインにとらわれず、主治医・担当医が判断
する適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査を実施するように改善すべきである。また、
がんの治験を実施している医療機関は限定的であるため、治験が少ない地域においても治
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頼性の高い臨床情報を収集することは、産業利用や学術利用に資するものであることから、
この点も十分考慮して、質の高い臨床情報を収集する体制を再検討し、入力率の向上とデー
タの質の担保ができるよう最適化を検討すべきである。
11 診療上の特性を考慮し、入院中患者でも検査を申し込めるよう DPC 対象外にすべき
である
現状:小児がん患者の多くなど、入院での検査が必要になる場合がある。しかし、現行の
診療報酬算定では、検査申し込み時の「D006-19:がんゲノムプロファイリング検査(44,000
点)」は、入院時に DPC に包含され算定できない。
あるべき姿: 小児がん患者などの入院中に出検が必須の状況においては、その診療上の
特性から入院での適切な算定も可能とすべきである。2025 年 2 月に保険適用となった「造
血器腫瘍又は類縁疾患ゲノムプロファイリング検査」においては、中医協の議論の中で、
DPC 制度における取り扱いについて検討がなされ、その疾患特性から入院下で実施できる
ことが望ましいとの結論に至り、次回の診療報酬改定までの措置として包括算定でなく出
来高算定となっている。小児がん患者においても同様の議論のもと、入院中でも適切な算定
が可能になることが必要と考える。
12 ドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグを解決できるような検査実施体制にすべきである
現状:がん遺伝子パネルの実施要件は、標準治療終了(終了見込みを含む)を含むタイミ
ングに制限されているため、がん遺伝子パネルを受ける多くの患者はすでに複数のがん薬
物治療を受けている。新薬開発の治験においては、治療ラインに制限があるものが多く、我
が国で行うがん遺伝子パネル検査において、治験対象となるバリアントが見つかっても、治
療ライン数の制限により参加できない場合もある。すなわち、標準治療終了(終了見込みを
含む)のタイミングでは、全身状態や臓器機能が悪化し、受けられる治験であってもその適
格基準を満たさない場合もある。このような理由で治療ができない患者が 10~30%存在す
ることが報告されている 4-6)。2025 年 2 月 28 日に実施されたがんゲノム医療中核拠点病院
等連絡会議において公開されたがん遺伝子パネル検査に基づく治療のうち、企業治験での
治療は 13.2%(839 人/6343 人)、医師主導治験での治療は 4.2%(268 人/6343 人)とその割合
は保険診療で実施した 71.1%(4534 人/6343 人)と比べても少なく、改善すべき点である。
この状況は、患者リクルートの面でグローバルの新薬開発の流れに完全に乗りおくれ、我が
国で治験を行うメリットがない状況を生み出している可能性がある。その結果として、ドラ
ッグ・ロス、ドラッグ・ラグの問題にもつながっている可能性も否定できない。
あるべき姿:標準治療以外での薬剤アクセスの機会を増やすためにも、治験への参加の
機会を増やす必要がある。そのためには、治療ラインにとらわれず、主治医・担当医が判断
する適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査を実施するように改善すべきである。また、
がんの治験を実施している医療機関は限定的であるため、治験が少ない地域においても治
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