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参考資料6-1 日本癌治療学会日本臨床腫瘍学会日本癌学会次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58839.html |
出典情報 | がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第6回 6/16)《厚生労働省》 |
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が望まれる。
しかし、この運用でもプロファイル検査により CDx 対象のバリアントが検出されても
必ず専門家会議(エキスパートパネル)での検討を経てからではないと結果を患者に説明で
きないという課題があり、迅速な結果返却の観点から解決すべき課題である。この点に関し
ては4の項で詳しく解説する。
3 がん遺伝子パネル検査を CDx として使用する必要があるがん種について、そのがん種
と検査の選択肢をわかりやすくすべきである
現状:現時点(2025 年 5 月時点)で、がん遺伝子パネル検査に搭載されている CDx 機能を
優先して使用するがん種と薬剤に関しては、ホルモン治療不応ホルモン受容体陽性 HER2
陰性乳がんにおける AKT1/PIK3CA/PTEN 遺伝子変異に対するカピパセルチブと去勢抵抗
性前立腺がんにおける BRCA1/2 遺伝子変異に対するタラゾパリブが該当する。これらは、
特定のがん遺伝子パネル検査にしか CDx 機能がないために、他の検査を選択する余地がな
いことに加え、一次治療から薬剤が使用できるため治療開始前に CDx として実施すること
が必要である。また、臓器横断的な適応がある NTRK1/2/3 融合遺伝子に対するエヌトレク
チニブ、ラロトレクチニブや RET 融合遺伝子に対するセルペルカチニブも特定のがん遺伝
子パネル検査にしか CDx 機能がなく、初回治療から使用できて奏効割合が高いことから、
CDx 機能を優先して使用することも考慮されるべきである。しかし、その頻度が低いこと
や陽性になるがん種が比較的限定的であることから、各がん種におけるガイドライン等を
参考にしながらその適応を判断することも肝要である。
また、予後の悪い固形がん(膵臓がんや胆道がんなど)においても、病勢が悪化する前ので
きるだけ早期にがん遺伝子パネル検査を実施し、治療薬の可能性を探索する必要がある。
そのためにも2の項で示したがんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議診療 WG から発出
された「コンパニオン診断を含めたがん遺伝子パネル検査の適切な運用に関する考え方
(2024 年 9 月 2 日)
」9)を参考にした運用が重要である。
あるべき姿:がん種ごとに様々な CDx があり、その検査法もがん遺伝子パネル検査から
PCR 法、免疫組織学的検査など多岐にわたる。また、検査に提出する組織検体量も臓器に
よっては少ない場合もあり(肺がんや膵臓がんなどの針生検組織など)
、組織量を考慮しな
がら検査を選択することも肝要である。しかし、CDx には、個別の CDx がある場合とがん
遺伝子パネル検査でも調べられる場合、さらにがん遺伝子パネル検査にしか搭載されてい
ない場合があり、その選択に迷うことは少なくない。特に、組織量が少ない場合は、個別の
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しかし、この運用でもプロファイル検査により CDx 対象のバリアントが検出されても
必ず専門家会議(エキスパートパネル)での検討を経てからではないと結果を患者に説明で
きないという課題があり、迅速な結果返却の観点から解決すべき課題である。この点に関し
ては4の項で詳しく解説する。
3 がん遺伝子パネル検査を CDx として使用する必要があるがん種について、そのがん種
と検査の選択肢をわかりやすくすべきである
現状:現時点(2025 年 5 月時点)で、がん遺伝子パネル検査に搭載されている CDx 機能を
優先して使用するがん種と薬剤に関しては、ホルモン治療不応ホルモン受容体陽性 HER2
陰性乳がんにおける AKT1/PIK3CA/PTEN 遺伝子変異に対するカピパセルチブと去勢抵抗
性前立腺がんにおける BRCA1/2 遺伝子変異に対するタラゾパリブが該当する。これらは、
特定のがん遺伝子パネル検査にしか CDx 機能がないために、他の検査を選択する余地がな
いことに加え、一次治療から薬剤が使用できるため治療開始前に CDx として実施すること
が必要である。また、臓器横断的な適応がある NTRK1/2/3 融合遺伝子に対するエヌトレク
チニブ、ラロトレクチニブや RET 融合遺伝子に対するセルペルカチニブも特定のがん遺伝
子パネル検査にしか CDx 機能がなく、初回治療から使用できて奏効割合が高いことから、
CDx 機能を優先して使用することも考慮されるべきである。しかし、その頻度が低いこと
や陽性になるがん種が比較的限定的であることから、各がん種におけるガイドライン等を
参考にしながらその適応を判断することも肝要である。
また、予後の悪い固形がん(膵臓がんや胆道がんなど)においても、病勢が悪化する前ので
きるだけ早期にがん遺伝子パネル検査を実施し、治療薬の可能性を探索する必要がある。
そのためにも2の項で示したがんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議診療 WG から発出
された「コンパニオン診断を含めたがん遺伝子パネル検査の適切な運用に関する考え方
(2024 年 9 月 2 日)
」9)を参考にした運用が重要である。
あるべき姿:がん種ごとに様々な CDx があり、その検査法もがん遺伝子パネル検査から
PCR 法、免疫組織学的検査など多岐にわたる。また、検査に提出する組織検体量も臓器に
よっては少ない場合もあり(肺がんや膵臓がんなどの針生検組織など)
、組織量を考慮しな
がら検査を選択することも肝要である。しかし、CDx には、個別の CDx がある場合とがん
遺伝子パネル検査でも調べられる場合、さらにがん遺伝子パネル検査にしか搭載されてい
ない場合があり、その選択に迷うことは少なくない。特に、組織量が少ない場合は、個別の
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