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資料 1 - 2 前回の議論を受けて修正した個票(疾病名及び疾病の対象範囲の変更に ついて研究班から情報提供のあった疾病) (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31825.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第51回 3/22)《厚生労働省》
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<脂肪酸水酸化酵素変異に伴う神経変性症 Fatty Acid Hydroxylase-associated neurodegeneration(FAHN):
dysmyelinating leukodystrophy and spastic paraparesis with or without dystonia、 spastic paraplegia 35>
1. 病因遺伝子と概要
脂質代謝関連酵素由来の脳内鉄沈着神経変性症で、小児期に発症する錐体路障害、小脳性失調/ジスト
ニア、眼症状を示す。進行性に知的機能障害、てんかん発作を生じる。
(1)遺伝様式 常染色体性潜性遺伝(劣性遺伝)(遺伝子座 16q21-q23.1、原因遺伝子 FA2H、遺伝子産物
FAHN、MIM ID #612319)
(2)発症年齢:小児期
(3)頻度 1/1,000,000 以下
2. 臨床症状
古典型と、非典型とがある。3~11 歳で発症する錐体路障害(痙性対(四肢)麻痺)、失調/ジストニア、眼
症状(視力低下、視野狭窄、色覚障害)を早期に呈する疾患で、進行性に知的機能障害、てんかん発作を生
じる。眼球運動系では斜視、側方視眼振、核上性眼球運動障害を認める。7家系の報告があり、対麻痺から
痙性四肢麻痺を呈する。構音障害、嚥下障害も示す。
HSP35 は FAHN の病型の一つである。
3. 特記すべき検査所見
(1)一般検査所見:骨髄で granular histiocyte を認める。
(2)脳 MRI 画像所見:T2 強調画像で淡蒼球の淡明化を認める。黒質に病巣が波及することは少ない。白
質変性と脳梁の非薄化を示す。進行性に小脳半球、虫部、橋、延髄、脊髄の萎縮を認める。
4. 遺伝子診断

FA2H 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別疾患
ウィルソン Wilson 病、メンケス Menkes 病、αfucosidosis、Glutaric aciduria I、リーLeigh 脳症、神経セロイド
リポフスチン症(Neuronal ceroid lipofuscinosis)、ハンチントン Huntington 病、神経有棘赤血球症、βhexosaminidase A 欠損症、GM1-galactosidase 欠損症、ニーマン・ピック Niemann-Pick 病、小児期発症の遺
伝性小脳性運動失調、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、家族性痙性対麻痺 30 型、遺伝性感覚
性ニューロパチーⅡC 型(HSNⅡC)、遺伝性パーキンソニズム、遺伝性ジストニアに属する疾患群、脳血管
障害、抗精神病薬などによる遅発性ジストニア、レット Rett 症候群。

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