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資料 1 - 2 前回の議論を受けて修正した個票(疾病名及び疾病の対象範囲の変更に ついて研究班から情報提供のあった疾病) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31825.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第51回 3/22)《厚生労働省》
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<DYT11 ジストニア、ミオクローヌス・ジストニア症候群(Myoclonus dystonia syndrome:MDS)>
1. 病因遺伝子と概要
ミオクローヌスとジストニアを主体とする。軽症では本態性ミオクローヌスとなる。ミオクローヌスは頸部、上
肢に多い。ジストニアは、捻転ジストニア、頸部ジストニア、書痙などである。アルコールで改善する。精神
症状を伴うことが多い。アルコール反応性ミオクローヌスは本症を示唆する。イプシロン・サルコグリカンの
変異部位、変異形式は多様で、検出はやや困難である。
(1) 遺伝様式:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(遺伝子座 7q21、遺伝子 SGCE、遺伝子産物 SGCE、MIM
#159900)不完全浸透、父-息子での遺伝子の伝達で発症頻度が高い。maternal imprinting とされる。父親
由来の SGCE のみが発現する
(2) 発症年齢:小児期~青年期 (典型的には 20 歳までに発症する。)
(3) 頻度:不明
2. 臨床症状
臨床症状はミオクローヌスとジストニアが主要症状である。軽症では本態性ミオクローヌスとなる。ミオクロー
ヌスが主症状で動作を阻害する。上肢と体幹筋に多く、大半はアルコールで改善する。静止時に生じ動作で
増強する。ジストニアは通常、軽度にとどまり頸部ジストニア(痙性斜頸)、上肢ジストニア(書痙)となる。とき
にジストニア単独、一過性ジストニアとなることもある。精神障害多発(強迫性障害(OCD)、パニック発作な
ど)、アルコール依存となる家系もある。てんかんと脳波異常(発作性、非発作性)の報告もあり、てんかんは
DYT11 を否定する根拠にはならないとされた。
3. 特記すべき検査所見
特になし。
4. 遺伝子診断

SGCE 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別診断
ウィルソン Wilson 病、脊髄小脳変性症、パーキンソン Parkinson 病、パーキンソン症候群、家族性痙性対麻
痺、ハンチントン Huntington 病、神経有棘赤血球症、GM2 ガングリオシドーシス、GM1 ガングリオシドーシ
ス、ニーマン・ピック Niemann-Pick 病、レット Rett 症候群、脳血管障害、抗精神薬投与に伴う遅発性ジスト
ニア。他の遺伝性ジストニア。

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