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資料 1 - 2 前回の議論を受けて修正した個票(疾病名及び疾病の対象範囲の変更に ついて研究班から情報提供のあった疾病) (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31825.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第51回 3/22)《厚生労働省》
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<ミトコンドリア膜タンパク質に伴う神経変性症 mitochondrial membrane protein-associated
neurodegeneration:MPAN、別名 NBIA4>
1. 病因遺伝子と概要
脂質代謝関連の脳内鉄沈着神経変性症で、ミトコンドリア膜に局在する C19orf12 遺伝子変異により発症す
る疾患で、痙性麻痺で発症し、下位運動ニューロン障害、視神経萎縮、認知症、精神症状を特徴とする。罹
病期間は 5~10 年である。
(1)遺伝様式:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)(遺伝子座;19q12 遺伝子変異;C19orf12、 遺伝子産物;
C19orf12、 OMIM #624298)
(2)発症年齢:小児期(平均 9 歳)
(3)頻度:不明
2. 臨床症状
臨床像は進行性の認知障害、行動障害が目立つ。四肢のジストニア、痙直(進行性痙性対(四肢)麻痺)、パ
ーキンソニズム、構音障害、小脳失調、視神経萎縮、網膜色素変性症を認める。精神症状としては学習障
害、知的退行を認める。緩徐進行を示す。自律神経も障害され腸管蠕動異常や排尿障害を認め、便、尿失
禁を早期から認めることが多い。小児期発症例では下位運動ニューロン障害も生じ、筋萎縮、深部腱反射消
失を来す。高齢発症例では精神症状が目立つことがある。
3. 特記すべき検査所見
(1)筋電図検査:軸索性運動ニューロパシーを示し早期には上位運動ニューロパシー、進行すると下位運
動ニューロパシーが加わる。小児期発症例では下位運動ニューロン症状が目立ち、運動ニューロン病
疾患 MND と誤診されることもある。
(2)脳 MRI 画像:T2 強調像では発症早期から淡蒼球と黒質への淡明化(鉄沈着)と大脳、小脳の萎縮を
認める。
4. 遺伝子診断

C19orf12 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別診断
ウィルソン Wilson 病、メンケス Menkes 病、αfucosidosis、Glutaric aciduria I、リーLeigh 脳症、神経セロイドリ
ポフスチン症(Neuronal ceroid lipofuscinosis)、ハンチントン Huntington 病、神経有棘赤血球症、βhexosaminidase A 欠損症、GM1-galactosidase 欠損症、ニーマン・ピック Niemann-Pick 病、小児期発症の遺
伝性小脳性運動失調、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、家族性痙性対麻痺 30 型、遺伝性感覚
性ニューロパチーⅡC 型(HSNⅡC)、遺伝性パーキンソニズム、遺伝性ジストニアに属する疾患群、脳血管
障害、抗精神病薬などによる遅発性ジストニア、レット Rett 症候群。

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