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資料1-2-1診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (60 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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(5)思春期以前の抗 AChR 抗体陽性患者に対する拡大胸腺摘除術は、内視鏡的手術などの低侵襲性手
術の技術が向上している現在、検討する余地が十分ある。しかし、有効性と安全性に関してはまだ十分
に明らかになっていない。
(6)眼筋(外眼筋、眼輪筋、眼瞼挙筋)に筋力低下・易疲労性が限局する眼筋型はコリンエステラーゼ阻害
薬で経過を見る場合もあるが、非有効例にはステロイド薬が選択される。早期にステロイド薬を投与し
て治療することにより、全身型への進展を阻止できるとする意見があるが、全身型への移行を阻止する
目的のみで、症状の程度に関係なくステロイドを使用することは推奨されていない。速効性の観点から
ステロイドパルス療法を間欠的に施行する場合もある。眼筋型に対する拡大胸腺摘除術の有効性に関
する十分な知見はない。
(7)症状が眼筋のみでなく四肢筋、体幹筋など全身の骨格筋に及ぶ全身型は、ステロイド療法薬や免疫抑
制薬の併用がなされる。ステロイド薬は初期に十分量を使うことが一般的であるが、むやみに大量・長
期間使うことは副作用発生の面から好ましくなく、患者の症状を見ながら減薬し、必要症状の増悪があ
れば増量するようにする。投与方法は、治療施設・医師の判断で隔日投与又は連日投与が選択される。
免疫抑制薬(わが国では、カルシニューリン阻害薬に保険適用がある)はステロイド薬に併用することで
早期に寛解導入が可能となり、ステロイド薬の減量や副作用軽減が期待できる。これら内服薬による治
療と並行して、上記(2)を参考に拡大胸腺摘除術の適否を検討する。重症例では MG 症状を改善させ
たうえで手術を行う。高齢者では、その身体的特徴を考慮しつつ、ステロイド薬や免疫抑制薬の投与方
法を選択する。
(8)難治例や急性増悪時には、血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、ステロイドパルス療法が併用さ
れる。これらの治療方法は、早期改善の目的で病初期から使うことも行われている。
(9) 全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場
合に限る)に抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤エクリズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の使用が
承認された。本剤の投与により、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡例も認められているため、
添付文書や適正使用のための資料を参照の上、慎重に使用すること。
5.予後
全身型の患者では、ADL、QOL の観点から十分な改善が得られず、社会生活に困難を来すことも少なく
ない。眼症状のみの患者でも、日常生活に支障を来すことがある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 28 令和元年度医療受給者証保持者数)
22,99823,973 人
2.発病の機構
不明(自己免疫性の機序が示唆される。)
3.効果的な治療方法
未確立(薬物療法・手術療法が行われるが、根治は得られず、難治となる例も少なくない。)
4.長期の療養
必要(慢性の経過をとる。)
5.診断基準
あり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準を研究班にて改訂)
6.重症度分類

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