よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-1診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

は、L-dopa による運動合併症が起こりやすい若年者は、ドパミンアゴニスト以外の薬物療法で治療開
始すべきであるすることを考慮する。一方、高齢者(一つの目安として 70~75 歳以上)及び認知症を
合併している患者場合は、ドパミンアゴニストによって幻覚・妄想が誘発されやすく、運動合併症の発
現は若年者ほど多くないので L-dopa での治療開始して良いを検討する。症状の出現の程度、治療効
果、副作用などに応じて薬剤の選択を考慮する。
(2)手術療法
手術は定位脳手術によって行われる。定位脳手術とは薬物療法で改善不十分な運動症状の日内
変動とジスキネジアに対して手術療法を考慮する。脳深部刺激療法では、頭蓋骨に固定したフレーム
と、脳深部の目評点目標点の位置関係を三次元化して、外から見ることのできない脳深部の目標点に
正確に到達する技術である定位脳手術を用いる。手術療法も症状を緩和する対症療法であって、病
勢の進行そのものを止める治療法ではないが、服薬とは異なり持続的に治療効果を発現させることが
できる。
5.予後
パーキンソン病自体は進行性の疾患である。患者によって進行の速さにはそれぞれで幅があるが、一般
的に振戦が主症状だと進行は遅く、動作運動緩慢が主症状だと進行が速い。適切な治療を行えば、通常発
症後 10 年程度は普通の生活が可能である。それ以後は個人差があり、介助が必要になることもある。しか
し、生命予後は決して悪くなく、平均余命は一般より2~3年短いだけである。高齢者では、脱水、栄養障害、
悪性症候群に陥りやすいので注意する。生命予後は臥床生活となってからの合併症に左右され、誤嚥性肺
炎などの感染症が直接死因になることが多い。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数から推計)
約 108,800135,152 人(パーキンソン病関連疾患から推計)
2.発病の機構
不明
3.効果的な治療方法
未確立(根治的治療なし。)
4.長期の療養
必要(進行性に増悪する。)
5.診断基準
あり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準を研究班にて改訂)
6.重症度分類
Hoehn-Yahr 重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上を対象とする
○ 情報提供元
「神経変性疾患領域におけるの基盤的調査研究班」
研究代表者 国立病院機構松江医療センター 名誉院長 中島健二

- 24-