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資料1-2-1診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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8 ハンチントン病
○ 概要
1.概要
ハンチントン病は、常染色体優性遺伝様式をとり、随意運動障害と舞踏病運動を主体とする不随意運動
と、精神症状、認知症を主症状とする常染色体顕性遺伝(優性遺伝)様式の慢性進行性神経変性疾患であ
る。ハンチントン病はポリグルタミン病の1つで、病因遺伝子は第4染色体短腕 4p16.3 の HTT である。遺伝
子産物は huntingtin とよばれる。浸透浸透率の高い遺伝病とされておりであり、環境による発症率の差異
は報告されていない。ポリグルタミン病の特徴としての繰り返し配列の延長による発症年齢の若年化と重
症化(表現促進現象)がみられる。罹病期間は一般に 10~20 年である。
主として成人成人期に発症し、好発年齢は 30 歳台であるが、小児期から老齢期まで様々な年齢での発
症がみられる。男女差はない。約 10%の症例は 20 歳以下で発症し、若年型ハンチントン病と称する。
顕性遺伝(優性遺伝)のため、多くは両親のどちらかが本症に罹患しているが、小児期発症例(特に幼児
期発症例)の場合には、表現促進現象のため小児発症者発症者の遺伝子診断が、両親のどちらかにとっ
ての発症前診断となってしまうこともあり、留意する必要がある。罹病期間は一般に 10~20 年である。
臨床像で臨床症状には前述したように、随意運動障害、舞踏運動を主症状とする不随意運動と、精神症
状とがある。運動の持続障害があり、転倒や、手の把持持続障害による物体の落下による破損が外傷の
要因となる。舞踏運動は早期には四肢遠位部にみられることが多いが、次第に全身性となり、ジストニアや
振戦、ミオクローヌスなど他の不随意運動が加わる。運動の持続障害があり、転倒、手の把持持続障害の
要因となる。精神症状には人格障害と易刺激性、遂行機能障害、うつなどの感情障害と認知機能低下を認
めるとがある。進行期になると立位保持が不能となり、臥床状態となる。てんかん発作を合併することもあ
る。
2.原因
ハンチントン病の病因遺伝子は HTT であり、ポリグルタミン病の1つである。臨床症状と huntingtin の CAG
リピート数との間には関連があり、リピート数が多いほうが若年に発症し、かつ重篤である傾向がある。ま
た、世代を経るごとにリピート数は増加する傾向があり(表現促進現象)、を認める。表現促進現象は病因
遺伝子が父親由来の際に著しい。この父親由来での繰り返し数の増大の要因として、精母細胞での繰り返
し数がより不安定であることが要因として推定されている。huntingtin は様々な組織で発現され多機能タン
パク質と想定されているが、現時点では huntingtin の機能は不明未解明である。
3.症状
多くの症例で舞踏随意運動を中心とする障害、不随意運動、運動の持続障害、精神症状を様々な程度で
認める。臨床像は家系内でも一定ではない。成人発症例では発症早期には、巧緻運動障害と軽微な不随
意運動、遂行運動の障害、うつ状態もしくは易刺激性などを認めるのみである。やや進行すると舞踏運動
などの不随意運動が明らかとなり、随意運動も障害されるも顕在化する。不随意運動は舞踏運動が主体で
あるが、ジストニアやアテトシスアテトーシス、ミオクローヌス、振戦であるが加味されることもあるが多い。さ

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