よむ、つかう、まなぶ。
6 先進医療技術の科学的評価等について(参考資料6-4)[2.8MB] (20 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html |
| 出典情報 | 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
1.RIF 既往のない患者全体での評価: 米国生殖医学会(American Society for Reproductive
Medicine: ASRM)2025 の前向き研究において、RIF の既往がない患者群全体では、pET に
よる生産率の有意な改善は認められませんでした(35.8% vs 25.4%, p=0.26)[1]。
2.RIF 既往のない AMA 患者(38 歳以上)に限定した追加解析: 当該先進医療技術を用いた
前向きコホート研究において、RIF の既往がない 38 歳以上の AMA 患者に限定したサブグ
ループ解析も実施いたしました。本解析では、背景因子を調整するため傾向スコアマッチン
グ法を用いています(各群 39 例)。その結果、以下のことが明らかになりました。
•臨床妊娠率は、pET 群で有意に高い結果でした(38.5% vs 12.8%, p=0.0196)。
•しかし、主要評価項目である LBR については、pET 群で高い傾向が見られたものの、統計
的な有意差は認められませんでした(23.1% vs 10.3%, p=0.2243)。
この結果は、本検査が RIF の既往がない高齢患者において、着床の段階で有効である可能
性を強く示唆するものです。生産率(LBR)については症例数が限られている(各群 39 例)た
め統計的有意差は認められませんでしたが、臨床妊娠率の有意な向上は、生産率の改善に
つながる第一歩として非常に重要であると考えます。したがって、本技術の適応として RIF
既往のない高齢患者を含め、今後さらに症例を蓄積し、生産率における有効性を継続して検
証していくことが適切であると判断いたします。
3. RIF 既往のない貴重胚(正倍数性胚など)移植患者: RIF の既往がない患者における貴
重胚(PGT-A 後の正倍数性胚など)の移植症例は、今回の研究では極めて少数であったた
め、統計的に意味のある解析を行うことができませんでした。この集団における本検査の有
効性を評価することは、今後の重要な課題であると認識しております。
結論:適応範囲の明確化
以上のエビデンスに基づき、本先進医療技術の適応範囲を以下の通りとすることが適切で
あると考えます。
| 適応対象 | 推奨度 | 根拠 - | |
反復着床不全(RIF)の既往を有する患者 | 強く推奨 | 複数の研究で生産率の有意な向上が
一貫して示されているため。 - | |
RIF の既往がない 38 歳以上の高齢患者 | 適応 | 臨床妊娠率の有意な向上が認められ、生
産率向上の可能性が示唆されるため。今後症例を蓄積し、有効性をさらに検証することが望
ましいです。 |
RIF の既往がない貴重胚移植患者 | 適応(症例蓄積中) | 現時点では症例数が極めて少な
く、有効性を評価するための十分なデータが存在せず、今後も先進医療として症例を蓄積し
ながら検証していく必要がある。 |
2
20
Medicine: ASRM)2025 の前向き研究において、RIF の既往がない患者群全体では、pET に
よる生産率の有意な改善は認められませんでした(35.8% vs 25.4%, p=0.26)[1]。
2.RIF 既往のない AMA 患者(38 歳以上)に限定した追加解析: 当該先進医療技術を用いた
前向きコホート研究において、RIF の既往がない 38 歳以上の AMA 患者に限定したサブグ
ループ解析も実施いたしました。本解析では、背景因子を調整するため傾向スコアマッチン
グ法を用いています(各群 39 例)。その結果、以下のことが明らかになりました。
•臨床妊娠率は、pET 群で有意に高い結果でした(38.5% vs 12.8%, p=0.0196)。
•しかし、主要評価項目である LBR については、pET 群で高い傾向が見られたものの、統計
的な有意差は認められませんでした(23.1% vs 10.3%, p=0.2243)。
この結果は、本検査が RIF の既往がない高齢患者において、着床の段階で有効である可能
性を強く示唆するものです。生産率(LBR)については症例数が限られている(各群 39 例)た
め統計的有意差は認められませんでしたが、臨床妊娠率の有意な向上は、生産率の改善に
つながる第一歩として非常に重要であると考えます。したがって、本技術の適応として RIF
既往のない高齢患者を含め、今後さらに症例を蓄積し、生産率における有効性を継続して検
証していくことが適切であると判断いたします。
3. RIF 既往のない貴重胚(正倍数性胚など)移植患者: RIF の既往がない患者における貴
重胚(PGT-A 後の正倍数性胚など)の移植症例は、今回の研究では極めて少数であったた
め、統計的に意味のある解析を行うことができませんでした。この集団における本検査の有
効性を評価することは、今後の重要な課題であると認識しております。
結論:適応範囲の明確化
以上のエビデンスに基づき、本先進医療技術の適応範囲を以下の通りとすることが適切で
あると考えます。
| 適応対象 | 推奨度 | 根拠 - | |
反復着床不全(RIF)の既往を有する患者 | 強く推奨 | 複数の研究で生産率の有意な向上が
一貫して示されているため。 - | |
RIF の既往がない 38 歳以上の高齢患者 | 適応 | 臨床妊娠率の有意な向上が認められ、生
産率向上の可能性が示唆されるため。今後症例を蓄積し、有効性をさらに検証することが望
ましいです。 |
RIF の既往がない貴重胚移植患者 | 適応(症例蓄積中) | 現時点では症例数が極めて少な
く、有効性を評価するための十分なデータが存在せず、今後も先進医療として症例を蓄積し
ながら検証していく必要がある。 |
2
20