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6 先進医療技術の科学的評価等について(参考資料6-4)[2.8MB] (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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先進医療会議からの指摘事項に対する回答
先進医療技術名:
A15「タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養」
令和7年11月17日
所属・氏名:ミオ・ファティリティ・クリニック
見尾保幸
1.
定期・総括報告書において、「601 例を検討した結果、臨床的妊娠率については、通常培養
群とタイムラプス培養群に差は認めなかった」という理解で良いか。
【回答】研究参加に同意された 601 例のうち、臨床研究に該当(初回採卵、得られた正常
受精胚数が4個以上得られ、通常培養との共培養を実施)したのは、当院 138 周期、他院 67
周期の合計 205 名 205 周期分のデータ解析である。患者平均年齢は 33.2±4.3 歳、平均 AMH 値
は 5.64±4.21、平均採卵数は 19.1±9.6 であった。採卵翌日に得られた正常受精前核期胚を
通常培養群(n=1248)とタイムラプス培養群(n=1254)に分け、培養を継続した。得られた
形態良好胚は新鮮胚移植もしくは凍結保存し、凍結保存胚については次周期以降に子宮内膜
調整後に融解移植した。
新鮮胚移植における臨床的妊娠率は、通常培養群で 15.8%(3/19)、タイムラプス培養群で
44.4%(4/9)
、流産率は、通常培養で 0.0%(0/3)、タイムラプス培養で 50.0%(2/4)とな
り、臨床的妊娠率には有意な差は認めなかったが、タイムラプス培養において臨床的妊娠率
が上昇する傾向を認めた。
凍結融解胚移植では 、 通常培養 群で 36.7%(58/158)、タイムラプス培養 群で 45.3%
(92/203)
、流産率は、通常培養群で 20.7%(12/58)、タイムラプス培養群で 28.3%(26/92)
となり、臨床的妊娠率には有意差を認めなかったが、タイムラプス培養群において臨床的妊
娠率が上昇する傾向を認めた。
解析結果の考察は以下の通りである。本研究に参加された御夫婦は、複数個の成熟卵子、受
精卵が得られる卵巣予備能、精液所見、等を含めて好条件を有する御夫婦である。したがっ
て、両培養群において、複数個の凍結保存胚が得られることが多く、それらの形態良好胚を
順次融解胚移植することになり、結果として、両培養群ともに高い妊娠率で差がない状況と
なったと考えられる。しかし、タイムラプス培養では、培養期間中により多くの胚情報が得
られることから、その情報の詳細な解析が進み、着床可能胚を得るための有用なアルゴリズ
ムが確立されれば、将来的に胚移植あたりの妊娠成績は良好となる可能性を有していると考
えられる。

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