会議資料 (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00043.html |
出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第65回 9/29)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
要望番号;IV-83
患者の心停止であった。
<日本における臨床試験等>
1)報告されていない。
(2)Peer-reviewed journal の総説、メタ・アナリシス等の報告状況
1)海外総説 (Dearden C. Blood 2012;120:538-551) 11)
現在の T-PLL に対する最良治療はアレムツズマブで、可能であればその後に造血幹細胞移
植を地固め療法として行うこと。歴史的対照群では生存期間中央値 7 ヶ月であったが、ア
レムツズマブと造血幹細胞移植を受けた患者では 4 年を超えていた。未治療 T-PLL に対す
る静注アレムツズマブによる奏効割合は 90%、CR 81%であり、皮下注では奏効割合 33%に
減少した。アレムツズマブは、診断時の腫瘍量(白血球数、血清 LDH、脾腫)の程度にかか
わらず奏効を示した。感染症の発現は慢性リンパ性白血病に対して使った場合よりも頻度
が低かった(T-PLL 10%, CLL 40%)が、Pneumocystis jerovecci やヘルペスウイルスに対する注
意が必要である。
2)海外総説 (Dearden C. Hematology (ASH Education Book) 2015;1:361-367) 12)
T リンパ球の表面に CD52 が強く発現していることから、論文発表時から 20 年前にこの疾
患に対して抗 CD52 モノクローナル抗体アレムツズマブを用いた研究が開始された。T-PLL
に対する初回治療では 90%を超えるアレムツズマブでの奏効割合が得られ、奏効例での無
増悪生存期間は 1 年を超えていたが、再発が必発で、全生存期間は 2 年未満であった。こ
のため、可能な患者では造血幹細胞移植による地固め療法を考慮すべきである。アレムツ
ズマブ単剤療法で効果が不十分な場合にはプリン誘導体(ペントスタチン、クラドリビン)
の追加が有用な場合がある。
(3)教科書等への標準的治療としての記載状況
<海外における教科書等>
1)Wintrobe’s Clinical Hematology 14th edition (Greer JP, editors Greer JP, et al.) Phliladelphia,
PA, Wolters Kluwer, 2019Mature T-cell and Natural Killer-Cell Leukemias in Non-Hodgkin
Lymphoma in Adults (Reddy NM, Moyo TK, Greer JP) p.1908-1909 13)
最も効果の高い単剤療法は静注アレムツズマブ(Campath)で、既治療例・未治療例あわせて
74%~91%の奏効が得られている。T-PLL に対するアルキル化薬、アントラサイクリンの奏
効割合は 30%~45%にすぎず、完全奏効例は稀であり、ペントスタチンやフルダラビンな
どのプリン誘導体やベンダムスチンによる奏効割合の方がやや高い。未治療例、既治療例
をあわせた臨床試験で化学療法(フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン)
に続けてアレムツズマブを行う治療により奏効割合 92%、無増悪生存期間 11.9 ヶ月、全生
存期間 17.1 ヶ月という治療効果が得られた。
9
40 / 178