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全国自治体病院開設者協議会 令和7年度5月20日提出 要望書 (22 ページ)
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出典情報 | 全国自治体病院協議会 定例記者会見(5/22)《全国自治体病院協議会》 |
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7.医療分野におけるデジタル化の推進・活用について
医療分野においても、デジタル化の促進は医療の質の向上と効率化のために極めて重要
である。電子カルテは大部分の病院で使用されているが、導入・維持・更新、さらにベ
ンダー変更時等に多額の費用が生じているため、電子カルテにおけるデータ規格の統一
化が望まれる。2025年3月から実施された標準型電子カルテα版を用いたモデル事
業により、機能などを検証し、本格実施に向けた課題や検討事項、各種データの規格を
早期に決定・公表することが必要である。更に電子処方箋の導入について、電子カルテ
システムの改修を伴うなど病院の大きな負担になっていることから、対応可能な病院は
限られており、広がりを見せていない。加えて、オンライン資格認証によって得られる
情報は、レセプトベースで前月のものであり当月の情報が入手できないのみならず、電
子処方箋によるものは院外処方のみの情報で、院内処方、病院での処置薬の情報等が入
手できない。そのため統一した薬歴情報を把握するシステムが望まれる。また、近年頻
発しているランサムウェア等による電子カルテへのサイバー攻撃に対するセキュリテ
ィ対策は、日進月歩で高度化、多様化するサイバー攻撃に対応するため、毎年度継続的
なシステム改修等が必要となり、大きな費用負担が生じている。
遠隔医療は医師不足地域にとっては必要不可欠な手段であり、特に自治体病院は医師不
足地域に多く存在するため、放射線診断専門医や病理診断専門医の遠隔医療支援等の活
用が一層望まれる。ICT の活用による地域医療連携や医療・介護連携の充実も期待され
ており、オンライン資格確認システムの本格運用が開始され、健康保険証の資格確認と
ともに、特定健診や薬剤情報が閲覧できるようになる。しかし、この運用には電子カル
テとの接続が必要であり、多額の費用が掛かることが障壁の一つとなっている。
また、AI や IoT については、在宅、日常生活でのバイタル等の生体情報を取得し解析す
ることが可能となり、診断の早期化、治療効果の確認等により、適切で効率的な医療ケ
ア提供が図られるほか、大容量通信が可能な第5世代移動通信システム「5G」との組合
せにより、遠隔医療サービスの高度化や、医師不足地域等における診療支援の観点等か
ら、その導入・活用が期待されるものの、5G の安心安全な利用に向けた体制など医療安
全から見た電波管理の在り方の検討が必要である。
要望事項
1)電子カルテの標準化推進と導入・維持・更新における財政支援と AI の導入・活用
への財政措置等の拡充
電子カルテの標準化を積極的に推進し、医療機関の負担を最小限にすること。
特に国が定める医療 DX の推進に伴う厚生労働省の全国医療情報プラットフォームに沿
い、喫緊の導入課題とされている電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどでは既
に国の補助メニューが準備されているものの、各医療機関の経済的負担・人的負担は膨
大であるため、一層の財政的支援の強化や汎用電子カルテシステムの開発・普及を推進
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医療分野においても、デジタル化の促進は医療の質の向上と効率化のために極めて重要
である。電子カルテは大部分の病院で使用されているが、導入・維持・更新、さらにベ
ンダー変更時等に多額の費用が生じているため、電子カルテにおけるデータ規格の統一
化が望まれる。2025年3月から実施された標準型電子カルテα版を用いたモデル事
業により、機能などを検証し、本格実施に向けた課題や検討事項、各種データの規格を
早期に決定・公表することが必要である。更に電子処方箋の導入について、電子カルテ
システムの改修を伴うなど病院の大きな負担になっていることから、対応可能な病院は
限られており、広がりを見せていない。加えて、オンライン資格認証によって得られる
情報は、レセプトベースで前月のものであり当月の情報が入手できないのみならず、電
子処方箋によるものは院外処方のみの情報で、院内処方、病院での処置薬の情報等が入
手できない。そのため統一した薬歴情報を把握するシステムが望まれる。また、近年頻
発しているランサムウェア等による電子カルテへのサイバー攻撃に対するセキュリテ
ィ対策は、日進月歩で高度化、多様化するサイバー攻撃に対応するため、毎年度継続的
なシステム改修等が必要となり、大きな費用負担が生じている。
遠隔医療は医師不足地域にとっては必要不可欠な手段であり、特に自治体病院は医師不
足地域に多く存在するため、放射線診断専門医や病理診断専門医の遠隔医療支援等の活
用が一層望まれる。ICT の活用による地域医療連携や医療・介護連携の充実も期待され
ており、オンライン資格確認システムの本格運用が開始され、健康保険証の資格確認と
ともに、特定健診や薬剤情報が閲覧できるようになる。しかし、この運用には電子カル
テとの接続が必要であり、多額の費用が掛かることが障壁の一つとなっている。
また、AI や IoT については、在宅、日常生活でのバイタル等の生体情報を取得し解析す
ることが可能となり、診断の早期化、治療効果の確認等により、適切で効率的な医療ケ
ア提供が図られるほか、大容量通信が可能な第5世代移動通信システム「5G」との組合
せにより、遠隔医療サービスの高度化や、医師不足地域等における診療支援の観点等か
ら、その導入・活用が期待されるものの、5G の安心安全な利用に向けた体制など医療安
全から見た電波管理の在り方の検討が必要である。
要望事項
1)電子カルテの標準化推進と導入・維持・更新における財政支援と AI の導入・活用
への財政措置等の拡充
電子カルテの標準化を積極的に推進し、医療機関の負担を最小限にすること。
特に国が定める医療 DX の推進に伴う厚生労働省の全国医療情報プラットフォームに沿
い、喫緊の導入課題とされている電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどでは既
に国の補助メニューが準備されているものの、各医療機関の経済的負担・人的負担は膨
大であるため、一層の財政的支援の強化や汎用電子カルテシステムの開発・普及を推進
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