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参考資料2 高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別)) (47 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25107.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第15回 4/13)《厚生労働省》
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事例4:在宅医療で身体状況の変化を踏まえ薬剤処方を見直した事例
療養環境
問題点

在宅医療
腰痛のため通院できなくなったあとも、外来時の処方薬を長期継続していた
85歳

患者背景

女性

要介護3(訪問診療、訪問薬剤指導管理、訪問看護、訪問介護を利用)

90歳の夫と2人暮らし
アルツハイマー型認知症、2型糖尿病、慢性腎臓病、高血圧症、腰椎圧迫骨折、
便秘症、不眠症
介入前:合計7剤 服用回数3回

処方

ドネペジル錠5mg

1回1錠(1日1錠)

1日1回

朝食後

グリメピリド錠1mg

1回1錠(1日1錠)

1日1回

朝食後

カンデサルタン錠4mg

1回1錠(1日1錠)

1日1回

朝食後

アムロジピン錠5mg

1回1錠(1日1錠)

1日1回

朝食後

セレコキシブ錠100mg

1回1錠(1日2錠) 1日2回

朝夕食後

酸化マグネシウム

1回1g(1日2g) 1日2回

朝夕食後

ブロチゾラム錠0. 25mg

1回1錠(1日1錠)

1日1回

就寝前

1日1回

朝食後

介入後:合計3剤 服用回数2回+頓服

服薬管理

カンデサルタン錠4mg

1回1錠(1日1錠)

セレコキシブ錠100mg

1回1錠(1日2錠) 1日2回

センノシド錠12mg

1錠

朝夕食後
便秘時頓服

薬剤師が訪問時に処方薬を一包化して服薬カレンダーへセットし、90歳の夫が服薬
管理
介入のきっかけ
アルツハイマー型認知症、2型糖尿病、慢性腎臓病、高血圧症のため診療所に通院
していた。1年前に腰椎圧迫骨折による著しい腰痛を生じてから外出できなくなり、
便秘症、不眠症を生じるようになった。定期的に通院することが困難になったため、
かかりつけ医が訪問診療を開始した。
介入のポイント
訪問診療にあわせ薬剤師も自宅を訪問し、医師と薬剤師が相談して薬剤処方の見
直しを行った。外来通院中は血糖値、血圧ともに高く、糖尿病治療薬と2種類の降
圧薬を内服していた。しかし、腰痛のため外出できなくなってから食欲が低下し、

経過

低血糖状態を生じるようになったため、グリメピリド及び食欲を低下させる恐れの
あるドネペジルを中止した。血圧が100~110/50~60mmHg程度に低下したため
アムロジピンを中止した。慢性腎臓病を有し、高マグネシウム血症を起こしやすいた
め酸化マグネシウムを中止し、便秘が続くときにセンノシドを頓用で服用するように
した。夕食後からうとうとして就寝前にブロチゾラムをのみ忘れることが多いことが
判明したため、ブロチゾラムを中止した。
介入後の経過
薬剤処方を見直した結果、日中の活動性の上昇及び食欲が改善した。服薬状況の確
認は服薬カレンダーで行っていたが、90歳の夫が服薬管理をすることには限界があ
るため、通所介護サービスを利用し、介護支援専門員が通所介護を行う際に服薬支援
するようにした。

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