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参考資料2 高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別)) (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25107.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第15回 4/13)《厚生労働省》
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別添

別表1



高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点
(注)A ~ L までは総論編・別添別表1参照
(薬効群と代表的薬剤の一般名[販売名の例])

認知症治療薬はアルツハイマー型認知症
(ドネペジルはレビー小体型認知症の適応も
ある)の症状の進行を遅らせる薬剤である。現在コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)3種
類 (ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)とNMDA受容体拮抗薬メマンチンがあ
る。副作用が疑われる場合、使用しても効果がない場合は中止や他剤への変更を検討
する。また、患者の機能保持や生活の質の向上に非薬物的対応
(各論編
(療養環境別)
参照)の併用が推奨される。
ChEIの副作用として、嘔気、嘔吐、食思不振、下痢などの消化器
症状がみられることがある。消化性潰瘍の既往歴がある場合や非ス
テロイド性消炎鎮痛剤投与中の場合、消化性潰瘍のリスクがあるた
め慎重に投与する。リバスチグミン[リバスタッチ、イクセロン]は
経皮吸収のため消化器症状の発現頻度は低い代わりに皮膚症状に留
意する。このほか徐脈、失神、洞不全症候群などの心疾患、気管支
高齢者の特性

喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある場合、錐体外路障害のある場

を考慮した薬

合は、身体症状が増悪する可能性があるため注意する。ChEIの投与

剤選択

中にBPSDの陽性症状と類似した症状がみられることがある。原疾患
の症状、心理環境要因による可能性などを含めて検討し薬剤の影響
が考えられる場合、減量・中止も考慮する。
メマンチン[メマリー]は中等症以降のアルツハイマー型認知症の

M.
認知症
治療薬

治療薬であり、ChEIの併用も可能である。副作用としてめまい、傾
眠があり、腎機能低下患者は特に注意する。眠気がみられる場合、
夕食後など夜間に投薬するのも一法である。
どの薬剤も副作用軽減目的で少量から漸増する。
投与量、使用
方法に関する
注意

リバスチグミンは毎回同じ場所に貼付すると、皮膚角質層の剥離
により血中濃度が上昇する可能性があるため、貼付箇所を毎回変更
する。
メマンチンは高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:
30mL/min未満)の患者には、維持量は1日1回10mgまでとする。
ド ネ ペ ジ ル[ ア リ セ プ ト ]と ガ ラ ン タ ミ ン[ レ ミ ニ ー ル ]は
CYP3A4及びCYP2D6により代謝されるため、CYP3A4阻害剤ある
いはCYP2D6阻害剤の併用には注意する。CYPの関与する主な相互

他の薬効群の
薬剤との相互
作用に関する
注意

作用は、総論編別表4を参照。
ChEIと、コリン作動薬(ベタネコール[ベサコリン]など)や
重症筋無力症や緑内障に用いるChEI(ジスチグミン[ウブレチド]、
ピリドスチグミン[メスチノン]など)の併用は悪心・嘔吐、徐脈な
どの副作用に注意する。抗コリン作用を有する抗精神病薬、三環系
抗う つ 薬、 ヒ ス タ ミ ン 受 容 体 拮 抗 薬、 抗 コ リ ン 性 パ ー キ ン ソ ン
病治療薬などの併用はChEIの作用減弱のみならず、抗コリン作用が
認知機能悪化に関与する場合があるため、使用は避けるべきである。

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