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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●1 病原体・発生状況

病原体・発生状況

1 病原体

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスである重症急性呼吸器症候群コ

ロナウイルス 2(SARS-CoV-2)は,コロナウイルス科ベータコロナウイルス属に分類され,

約 30,000 塩基からなる 1 本鎖・プラス鎖 RNA ゲノムをもつエンベロープウイルスである.
COVID-19 は , 2019 年 12 月に中国・湖北省武漢市で初めて確認され,急速に全世界に感染

拡大した.2020 年 3 月にはパンデミック状態となり,以後 , 世界中で流行の波を繰り返して

いる.2023 年 5 月 4 日に世界保健機関(WHO)は,国際的に懸念される緊急事態(PHEIC)
の終了を宣言したが,引き続きリスクの高い健康課題であり,長期的な対応が必要であるとし
ている.
図 1-1

病原体

SARS-CoV-2

動物由来コロナウイルス
S:スパイクタンパク
エンベロープにある突起が王冠(ギリシア
語でコロナ)のように見える.SARS の病原
体(SARS-CoV-1)と同様にアンジオテン
シン変換酵素 2(ACE2)をレセプターとし
てヒトの細胞に侵入する.3 日間程度は環境
表面で安定と考えられる.

(国立感染症研究所)

2020 年末から,感染・伝播性,毒力(virulence:病原体が引き起こす感染症の重症度の強

さ)および抗原性などに影響を与える可能性がある遺伝子変異を有する SARS-CoV-2 変異株

が出現し,B.1.1.7 系統(アルファ),B.1.617.2 系統(デルタ)
,B.1.1.529 系統(オミクロン)
が置き換わりながら流行を形成してきた.2021 年末のオミクロン発生以降は,多くのオミク

ロンの亜系統が派生し,異なる系統間での組換え体も数多く報告されており,これらのオミク
ロン亜系統によって流行株が次々と置き換わっていく現象が世界中で継続している(図 1-2)


オミクロンとその亜系統は,オミクロン以前の系統と比較して感染・伝播性が非常に高いが,

毒力は低下し,重症化する症例の割合は低下した.オミクロンの亜系統の中では毒力は大きく

変化していないと考えられているが,感染免疫・ワクチン・中和抗体薬へ抵抗性(免疫逃避能)
を示す亜系統が継続的に発生している.今後も新たな変異を獲得した亜系統が出現してくるこ
とが予想され,継続的な監視が行われており,国立感染症研究所では SARS-CoV-2 変異株に

ついてリスク評価を実施し,変異株を「懸念される変異株(VOC)

「注目すべき変異株(VOI)

「監

視下の変異株(VUM)」に分類している.2023 年 6 月現在,オミクロン(B.1.1.529 系統と
その亜系統および組換え体のすべて)を VOC としている.
☞ 新規変異株について(国立感染症研究所 HP)

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