よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。



●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント

重症度分類とマネジメント

ワクチンの普及やオミクロンへの置き換わりに伴い,成人では典型的なウイルス性肺炎を呈

する患者が大幅に減少した.

しかし,高齢者では誤嚥性肺炎,うっ血性心不全などを合併し,入院治療が必要となる患者

は少なくない.また,小児の患者数増加に伴い,入院治療が必要な症例も発生している.個々

の患者の病状に応じた適切な治療の選択が重要である.本章では,重症度分類と重症度別マネ
ジメントについて解説する.

1 重症度分類(医療従事者が評価する基準)
酸素飽和度

臨床状態

診療のポイント

SpO2 ≥ 96%

呼吸器症状なし
or
咳のみで呼吸困難なし
いずれの場合であって
も肺炎所見を認めない

・多くが自然軽快するが,急速に病状が進行
することもある
・高齢者では全身状態を評価して入院の適応
を判断する

中等症Ⅰ
呼吸不全なし

93% < SpO2 < 96%

呼吸困難,肺炎所見

・入院を考慮するなど慎重な観察が望ましい
・低酸素血症があっても呼吸困難を訴えない
ことがある

中等症Ⅱ
呼吸不全あり

SpO2 ≤ 93%

酸素投与が必要

・呼吸不全の原因を推定
・高度な医療を行える施設へ転院を検討

ICU に入室
or
人工呼吸器が必要

・ウイルス性肺炎と ARDS に移行したもの
がみられる
・個々の患者に応じた治療が重要

重症度








・COVID-19 の死因は呼吸不全が多いため,重症度は呼吸器症状(特に呼吸困難)と 酸素化を中心に分類した.
・SpO2 を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい.
・呼吸不全の定義は PaO2 ≦ 60 mmHg であり SpO2 ≦ 90% に相当するが,SpO2 は 3% の誤差が予測されるので SpO2 ≦ 93%
とした.
・肺炎の有無を確認するために,可能な範囲で胸部 CT を撮影することが望ましい.
・酸素飽和度と臨床状態で重症度に差がある場合,重症度の高い方に分類する.
・重症の定義は厚生労働省の事務連絡に従った.ここに示す重症度は WHO や米国 NIH 等の重症度とは異なっていることに留意
すること.
・この重症度分類は SARS-CoV-2 による肺炎の医療介入における重症度である.入院に関しては,この分類で軽症に該当する
患者であっても全身状態などを考慮する必要がある(
「4-5 高齢者の管理」参照)


22