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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●5 薬物療法

・本剤においては,重症化リスク因子のある軽症例に対して,重症化抑制効果を裏づける
データは得られていない.このため,日本感染学会『COVID-19 に対する薬物治療の考
え方(第 15.1 版)』では,重症化リスク因子のある軽症〜中等症の患者には,レムデシビル,
モルヌピラビル,ニルマトレルビル/リトナビルを投与することを検討すべきとしている.
・重症度の高い(概ね中等症Ⅱ以上)患者に対する有効性は確立していない.
・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用中のすべての薬剤を確認する
こと.また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を追加する場合,相互作用を確認すること.
本剤は CYP3A 誘導薬との併用に係る薬物相互作用,CYP3A に対する強い阻害作用,
P-gp,BCRP,OATP1B1,OATP1B3 に対する阻害作用などを有するため,薬物相
互作用に注意する.

特定の背景のある患者への投与
〔腎機能障害患者〕軽度[60 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 90]
,もしくは中等度
[30 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 60]の腎機能障害患者において用量調節は不要と
考えられる.ただし,重度の腎機能障害患者[eGFR(mL/min/1.73m2)< 30]では
治療上の有益性が上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること.なお,コルヒチ
ン投与中の患者にはコルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあり投与しないこと.
〔肝機能障害患者〕重度の肝機能障害がある場合,本剤の投与は推奨されない.中等度
(Child-Pugh 分類 B)肝機能障害患者においては,現在実施されている臨床薬理試験
結果が出るまで,治療上の有益性が上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること.
なお,コルヒチン投与中の患者にはコルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあり投
与しないこと.
〔妊婦〕妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.ウサギにおいて,
臨床曝露量の 5.0 倍相当以上で胎児への催奇形性や流産,胚・胎児生存率の低下が認
められる.妊娠可能な女性に対しては,本剤投与中および最終投与後一定期間は適切
な避妊を行うよう指導すること.
〔授乳婦〕授乳しないことが望ましい.ラットにおいて,乳汁への移行が認められるとと
もに,母動物に毒性が認められた用量で出生児の生後 4 日生存率の低下および発育遅
延が認められている.
〔小児〕12 歳未満を対象とした臨床試験は実施されていない.

表 5-2 オミクロン流行期以降に実施された外来患者を対象とした抗ウイルス薬に関する主な臨床研究
【A. 重症化リスク因子のない軽症〜中等症Ⅰの患者を主な対象に症状の改善を評価項目とした研究】
薬剤

投与期間

エンシトレ
ルビル
5 日間

研究デザイン
薬剤投与群

薬剤投与症例
の年齢

コントロール
ワクチン初回

完了率
RCT
二重盲検
低用量
(125 mg)
114 名
高用量
(250 mg)
116 名

12 〜 69 歳
(平均年齢
35.3 〜 37.3)

研究期間

主要評価項目

実施国・地域

薬剤投与群
vs

コントロール 群

症状スコアの変化
投与後 120 時
間以内における 低用量 -5.95 点 ;
P=0.4171
12 症状の改善
日本・韓国
80% 以上
(症状なし0点 高用量 -5.42 点 ;
(1回以上の接種を (入院および宿泊
〜症状重い 3 点; P=0.8806
含む)
療養患者を含む)
プラセボ -4.92 点
最高 36 点)
2022 年 1 月
〜 2022 年 2 月

サブ解析では,発熱+
呼吸器症状は薬剤投与
群において改善が大き
かった
(低用量 P = 0.0164;
高用量 P = 0.0039)

プラセボ

111 名

44

サマリー
文献

・エンシトレルビルはプラセボ群と比較して
12 症状スコアの改善に差を認めなかったが,
ウイルス消失が早く,忍容性も高かった.

☞ https://doi.org/10.1093/cid/ciac933