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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント

7 妊産婦の管理

〇 COVID-19 に感染した妊婦の多くは無症状もしくは軽症のままに経過するが,一部は特に妊
娠の後半期に重症化し,死産や本人の生命にかかわる事態に陥る.重症者の割合は,オミク

ロンに置き換わって以降減少したが,ワクチンの未接種は母体の重症化ばかりでなく,流早
産や子宮内胎児死亡のリスクを高めると考えられる(
「2-4 妊婦例の特徴」参照)


〇 無症状あるいは軽症で,自宅療養・宿泊療養中の妊婦を訪問する,あるいは電話やインター
ネットによる遠隔診療を行う医療者は,呼吸状態,心拍数や呼吸数とその変化などの急速な
病状の進行を疑う症状,あるいは産科的異常を示唆する症状を確認する必要がある.可能で

あればパルスオキシメーターで血中酸素濃度を自己測定し,SpO2 が 95%を下回る状態が続

く場合は連絡をさせる.また,妊娠の時期を問わず,性器出血,持続する・あるいは周期的

な腹部緊満感・子宮収縮感,破水感・胎動の減少などがある場合,妊婦健診を受けているか
かりつけの産科医に直接相談するように指導する必要がある.

当該妊婦のワクチン接種歴(接種回数,最終接種からの期間)を聴取し,未接種者はハイ

リスク者として留意する.

〇 かかりつけの産科医は,COVID-19 に感染した妊婦が上記のような相談をしてきた場合,

速やかに地域の COVID-19 に係る周産期医療体制の関係者と連携して,適切な診察・医療

を受けることができる施設への緊急搬送,あるいは自院への受診を指示すること.内科等の
産婦人科医以外の医療者が診療する場合は,産科的異常を示唆する症状にも留意するととも

に,日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会が 2021 年 8 月 23 日に発出した文章に記載さ
れている症状,所見,検査結果を認める場合,入院の必要性を地域の産科医と相談する.

〇 COVID-19 に感染した妊婦に,必ずしも産科的な管理が必要ではなく,COVID-19 患者と

して内科病棟等に入院する妊婦については,呼吸数,心拍数の漸増は妊婦の代償機能が働い
ている 徴候であるとされており,その推移に注意すること.また,酸素飽和度を適切な値

(SpO2 95%以上)に保つことができるように留意する.児の娩出時期や分娩方法,妊婦に
対する薬物療法については産婦人科医,小児科医と密接な連携をとる必要がある.

〇 COVID-19 に感染した妊婦から出生した新生児の隔離解除が必要となる場合は,生後 24
時間以内と 48 時間以降の 2 回検査(PCR 等の核酸増幅検査)を行うことが推奨される.

なお,感染管理の観点から母子分離を行う場合には,患者や家族にその必要性について十

分説明すること.

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