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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (39 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●5 薬物療法

来治療を対象にモルヌピラビル 800 mg またはプラセボを 1 日 2 回,5 日間経口投与する群
に 1 対 1 で無作為割付した.目標症例数の 50%が投与 29 日目を完了した時点で行うことと
事前に計画されていた中間解析において,発症 5 日以内の治療開始でプラセボ群(377 名)の

重症化(ここでの重症化は投与開始後 29 日目までの入院と死亡)が 53 名(14.1%)に対し,治
療群(385 名)では 28 名(7.3%)と相対リスクが 48%減少した(p=0.0012).この結果を

受け,中間解析以降の被験者登録が中止されたが,組み入れられたすべての被験者(1,433 名)
を対象とした解析の結果においては,発症 5 日以内の治療開始でプラセボ群(699 名)の重症
化が 68 名(9.7%)に対し,治療群(709 名)では 48 名(6.8%)と,相対リスクが 30%

減少した(表 5-1).また,死亡例は治療群で 1 名(0.1%)に対して,
プラセボ群では 9 名(1.3%)
と治療群で少なかった.

投与方法(用法・用量)

〔18 歳以上の患者〕モルヌピラビルとして 1 回 800 mg を 1 日 2 回,
5 日間経口投与する.
投与時の注意点

・臨床試験における主な投与知見を踏まえ,重症化リスク因子を有するなど,本剤の投与が
必要と考えられる患者に投与すること.
・重症度の高い(概ね中等症Ⅱ以上)患者に対する有効性は確立していない.
・SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること.臨床
試験において,症状発現から 6 日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏づけ
るデータは得られていない.
・妊娠可能な女性に対しては,本剤投与中および最終投与後,一定期間は適切な避妊を行
うよう指導すること.
・本剤の脱カプセルや懸濁・簡易懸濁投与に関しては十分なデータがないため,やむを得
ない場合を除き勧められない.使用経験は開発企業の HP を参照.
特定の背景のある患者への投与
〔腎機能障害者〕本剤とその代謝物 N- ヒドロキシシチジン(NHC)は腎排泄ではないため,
腎機能障害がこれらの排泄に影響を及ぼす可能性は低い.重度の腎機能障害[eGFR
(mL/min/1.73m2)< 30]や透析を必要とする患者における薬物動態の評価は実施され
ていない.
〔肝機能障害者〕肝機能障害者における薬物動態の評価は実施されていない.
非臨床試験の結果,NHC の主要な消失経路は肝代謝でないと考えられた.また,モ
ルヌピラビルは消化管および肝臓で NHC に代謝される一方,モルヌピラビルの加水分
解に必要な代謝酵素は広範な組織に分布しているため,肝機能障害がモルヌピラビルお
よび NHC の曝露量に影響を及ぼす可能性は低い.
〔妊婦〕動物実験で胎児毒性が報告されており,妊婦または妊娠している可能性のある女
性には投与しないこと.
妊娠ラットの器官形成期にモルヌピラビルを投与した実験において,NHC の臨床曝
露量の 8 倍に相当する用量で催奇形性および胚・胎児致死が,3 倍以上に相当する用量で
胎児の発育遅延が認められている.また,妊娠ウサギの器官形成期にモルヌピラビルを
投与した実験において,NHC の臨床曝露量の 18 倍に相当する用量で胎児体重の低値
が認められている.
〔授乳婦〕治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続または中止を検討する
こと.動物において,モルヌピラビルの乳汁移行試験は実施されておらず,ヒト乳汁中
への移行の有無および乳汁産生への影響に関するデータはない.
〔小児等〕18 歳未満を対象とした臨床試験は実施されていない.
〔高齢者〕高齢者における NHC の薬物動態は若年者と同等であった(外国人データ)

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