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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●2 臨床像

⑩ 治療は免疫グロブリン 2 g/kg の点滴静注(IVIG)+アスピリン 30 mg/kg 内服が 97 %の例で

行われた.ステロイドは 58 %の例で使用された.ICU 管理,カテコラミン使用を必要とした例
はそれぞれ 14 %,11 %であった.初回治療後に追加治療が行われた例が 29 %あり,内容は

IVIG 再投与あるいはステロイド(プレドニゾロン経口またはメチルプレドニゾロンパルス療法),
少数でインフリキシマブやシクロスポリン A の投与が行われた.
図 2-3 MIS-C/PIMS * 診断のアルゴリズム
すべてを満たすか?
1. 21歳未満
2. 発熱 ( >38℃ )
3. 疫学的SARS-CoV-2関与(いずれか)
• PCRまたは抗原陽性
• 抗体陽性
• COVID-19症状先行
• 4週間以内の濃厚接触者
4. 2つ以上みたす
• 発疹(多形性,斑状丘疹,紫斑状,非水疱性)
• 消化器症状(下痢,腹痛,嘔吐)
• 手足の浮腫
• ロ腔内粘膜病変(口唇発赤・亀裂,イチゴ舌,咽頭発赤)
• 結膜炎(眼脂のない結膜充血)
• 頸部リンパ節腫脹
• 神経症状(意識障害,脳症,局所神経障害,メニンギスムス,乳頭浮腫)
5. 入院を要する重症度

Yes

他の疾患を除外したか?

No
Yes

Yes

原因不明のショック
を呈するか?

No

MIS-Cと他の発熱性発疹症の オーバーラップ
存在非MIS-Cの幅広い評価は必要

No
標準治療で観察
MIS-C診断のため
の評価を継続

血液検査項目

血算(分画)
血算(分画)
CRP
CRP
Procalcitonin
Procalcitonin
血沈
血沈
フィブリノーゲン
フィブリノーゲン
凝固機能(PT,APTT,D ダイマー)
凝固機能(PT,APTT,D ダイマー)
フェリチン
フェリチン
LDH
LDH
アルブミン
アルブミン
troponin/NT-proBNP
troponin/NT-proBNP
IL-6
(保険適用外)
IL-6(保険適用外)

画像評価
画像評価

心エコー(z スコアを含む)
心エコー(z
スコアを含む)

COVID-19
COVID-19のの
検査室診断
検査室診断

RT-PCR
RT-PCR
血清学的検査(抗体)
血清学的検査(抗体)
抗原検査
抗原検査

⾎液検査項⽬

No

検査(右表)を行いMIS-Cの確定診断
以下をすべて満たすか?
1. CRP 5mg/dLまたは血沈40mm/hr以上
2. 1つ以上の異常
・リンパ球絶対数 く1,000/µL
・血小板数 く150,000/µL
・血清ナトリウム値 く135mmol/L
・好中球増多
・低アルブミン血症

Yes

MIS-C診断のための
検査(右表)を行う

心電図
心電図
胸部 X 線
胸部
X線
胸部CT(必要時)
CT(必要時)
胸部
腹部エコー
腹部エコー
腹部
CT(必要時)
腹部 CT(必要時)

*疾患名について,米国では MIS-C と一般化しているのに対し,本疾患の発生初期に報告した英国などの研究グループでは,
paediatric inflammatory multisystem syndrome temporally associated with SARS-CoV-2 の略称で
‘PIMS-TS’ あるいは ‘PIMS’ と呼んでいる.
出典:小児 COVID-19 関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)診療コンセンサスステートメント 2021.9.16. 改訂

【COVID-19 流行下における小児の予防接種】

COVID-19 流行下でも,すべての年齢において推奨される接種スケジュールを遵守することは,

それぞれのワクチンの有効性および安全性を最大限確保するうえでも非常に重要である.一方で保
護者が安心して接種するためには,電話などで事前にかかりつけ医等と接種日時を調整するなどの
工夫も必要である.また,やむを得ず接種が遅れたワクチンがある場合は,必要に応じてなるべく
早期に接種をする必要がある.なお,相当な理由がある場合には,市町村の判断で定期接種時期を
超えていても定期接種の対象者として取り扱えることとしている.

新型コロナワクチンについても,日本小児科学会では生後6カ月以上のすべての小児に接種を推

奨してきた.2023 年5月8日に COVID-19 が5類感染症に移行となり,感染予防対策が緩和され

つつある状況において,改めて国内小児に対する接種の意義について日本小児科学会において検討
がなされた.その結果,小児の COVID-19 を予防する手段として,生後 6 カ月~ 17 歳のすべての

小児に新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を日本小児科学会で
は引き続き推奨することとなった.

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