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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●2 臨床像

表 2-3 2023 年度における新型コロナワクチン臨時接種の対象者

【オミクロンに対する追加接種の有効性及び安全性について】
新型コロナワクチンの有効性は,流行しているウイルス変異株,過去のワクチン接種歴や
COVID-19 罹患歴,年齢,基礎疾患,使用薬剤等によって評価が異なる.
2023 年 6 月時点において日本国内で使用されている 2 価の mRNA ワクチンの追加接種に
よる発症予防効果については,国立感染症研究所が関東地方の 10 医療機関において,2022
年 9 月 20 日〜 11 月 30 日までに発熱外来等を受診し解析可能であった 4,473 名を対象に評
価した症例対照研究が報告されている.ワクチン未接種者と比べて,BA.1 または BA.4/5 の
成分を含む 2 価ワクチンの発症予防効果は共に有効性が 70 % 前後であった.また,従来ワク
チン 3 回接種後に半年以上が経過した状態でも,未接種と比べた場合には,有意な有効性を認
めるなど(aOR 0.50, 95 %CI 0.38-0.67)
,オミクロン変異の進展により,有効性が低下し
ているものの,ワクチンの追加接種が発症予防に有効であることが示唆されている.
新型コロナワクチンの重症肺炎予防効果については,国立感染症研究所と日本 ECMOnet が
共同で実施した観察研究の暫定報告が公表されている(表 2-4).デルタの流行期に 2 回接種

後 14 日~ 6 カ月で呼吸不全を伴う肺炎の予防効果は 96%,人工呼吸器を要する重症化肺炎の
予防効果は 99.9 % と高い有効性を示したが,オミクロン初期流行期では,2 回接種後 6 カ月

以降の肺炎および重症化に対する同様の評価では 42.2 % と 91.6 % と有効性が低下した.た
だし,3 回目の接種後 14 日~ 6 カ月後における肺炎および重症化の予防効果はそれぞれ 85.6 %,
99.6 % と改善を認めた.観察研究の限界として交絡因子や誤分類が排除できないものの,こ
れらの知見は,COVID-19 の重症化を防ぐためのワクチン接種戦略の重要性を示唆している.

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