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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●3 診断・サーベイランス

3

抗原検査

・抗原検査(定性法,定量法)は,SARS-CoV-2 の蛋白質を検出する検査法である.

・抗原定性検査は有症状者(発症から9日以内)の確定診断として用いることができる.

・抗原定量検査は抗原量を測定でき特異度も高い.無症状者に対する唾液を用いた検査にも使用
できる.
表 3-1

各種検査の特徴
新型コロナウイルス感染症にかかる各種検査

検査の対象者
発症から
有症状者
(症状消退 9日目以内
者を含む)
発症から
10 日目以降
無症状者

抗原検査(定量)

核酸検出検査

抗原検査(定性)

鼻咽頭

鼻腔

唾液

鼻咽頭

鼻腔

唾液

鼻咽頭

鼻腔

唾液



















































*3



*2



*3

*2

*3

*1

* 1:唾液検体での薬事承認を得た製品に適用される点に留意.
* 2:使用可能だが,陰性の場合は臨床像から必要に応じて核酸検出検査や抗原定量検査を行うことが推奨される.
* 3:確定診断としての使用は推奨されないが,感染拡大地域の医療機関や高齢者施設等において幡広く検査を実施する
際にスクリーニングに使用することは可能.ただし,結果が陰性の場合でも感染予防策を継続すること,また,結
果が陽性の場合であって医師が必要と認めれば核酸検出検査や抗原定量検査により確認すること.感染拡大地域の
医療機関や高齢者施設等以外の有病率が低い場合には,スクリーニングの陽性的中率が低下することに留意が必要
である.なお,スクリーニングとは,主に診断目的ではなく感染リスクを下げる目的で実施するものである.
*詳細は『国立感染症研究所ほか,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針』を参照.

2 血清診断(抗体検査)

WHO は抗体検査について,診断を目的として単独に用いることは推奨せず,疫学調査等で

活用できることを示唆している.日本においては,COVID-19 対策の基礎データとすることを

目的として,2020 年度より,SARS-CoV-2 に対する大規模な抗体保有状況の調査が実施され,
公表されている.

☞ 2023 年 2 月における献血検体を用いた既感染割合に関する分析(国立感染症研究所 HP)

抗体検査には,スパイクタンパクに対する抗体(抗S抗体)の測定とヌクレオカプシドタン

パクに対する抗体(抗 N 抗体)の測定がある.抗 S 抗体は自然感染とワクチン接種により誘導

されるのに対し,抗N抗体は自然感染のみで誘導される.このため,既感染者の割合は抗N抗
体の有無を使って推定されている.

なお,日本国内で体外診断用医薬品として承認を得た検査試薬はなく,さまざまな検査キッ

トが研究用試薬として市場に流通している.
国立医薬品食品衛生研究所による患者血清
(標準品)
を用いた一斉性能評価試験の結果によると,2020 年 10 月時点で国内に流通している抗体検
査キット(計 57 種類)は SARS-CoV-2 に対する抗体を検出できることが確認された.

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