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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (76 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html
出典情報 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》
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調





調査事案名 (24)河川の掘削土砂の有効活用
③調査結果及びその分析

④今後の改善点・検討の方向性

●掘削土砂の活用状況の問題点及び更なるコスト縮減の検証
・他事業への活用に向けたマッチングシステム
【公共事業間】
建設発生土情報交換システム

建設発生土を他の工事で有効活用
するために必要な情報をリアルタ
イムで交換ができる。

官民有効利用マッチングシステム

民間事業者の参入促進に向けた試
行システム。公共事業については
建設発生土情報交換システムの情
報が基本的に登録される。

・掘削土砂の活用に当たっては、システムの利用により、掘削土砂の有効活
用を行っている。システムへの登録に当たっては、まずは他の公共事業へ
の 利 用 が 優先 さ れた 上 で 、 近 隣民 間 事 業 と の 調 整 が 行 わ れ て い る 。
両システムとも、工事発注の目処が立った段階で土砂発生、需要の登録
をする事例が大半を占め、中長期的な事業計画(土砂の需要)は基本的に
は登録されていない。
・一方で、今回の調査の過程において、自治体等からは発生土の高台利用や
防災公園利用、備蓄等の要望が多数あることが分かったが、必要土量や受
入時期などが具体化していない事業計画段階のものはシステムに登録され
ていない状況にあった。

河川の掘削土砂の処分、活用について
・ストックヤード活用によるコスト
縮減の事例があるが、比較的近距
離にヤードを確保するため運搬費
は他事業に運搬するより低コスト
になるが、運搬費に加え、借地料
や現状復旧費用が発生する。
・今回の調査では、対象とした93か
所のストックヤードに掛かる費用
の平均値と公共事業へ運搬した費
用の平均値にて、1万㎥を10年間
掘削し、年1回運搬した場合をモ
デルとして比較した。

・ストックヤード活用の場合
運搬費(17㎞)約3億8,000万円
借地料(5,000㎡)
約670万円
原状復帰費用
約2,500万円
約4億1,170万円
※需要側が負担するストックヤード
からの搬出費用は含まれていない。

・公共事業へ運搬した場合
運搬費(30㎞)約6億3,000万円

・河道掘削により発生した土砂を有効活用し、
効率的に処理することは重要であるが、現状、
中長期的な土砂の需要を把握して土砂の処分
方法を選定しているとは言えず、必ずしも効
率的な処分となっていない可能性があるので
はないか。
・掘削土砂の運搬に当たっては、他の公共事業
へ直接運搬するか、ストックヤードを活用す
るか、トータルコストで比較する必要がある
ため、各主体における事業の見通しやヤード
用地の取得方法、地域ニーズへの対応を含め
た中長期的な土砂の需要と供給の総合的な把
握が必要となる。
・そのためには、現在のシステムを活用した
マッチングに加え、河川の掘削土砂に関して、
自治体や民間事業者等の今後の事業予定や地
域におけるニーズなど、中長期的な事業展開
を流域治水協議会等を通じて共有し、チェッ
クシート等によるトータルコストの比較検討
をするなど、個別事業を超えたトータルコス
トの最適化がなされるよう、効率的な事業実
施ができる仕組みを構築すべき。

平均値の比較ではストックヤードの
費用の方が安く試算されたが、一方
で、公共事業間においては、搬出費
用も含めたトータルコストにて比較
検討する必要がある。

・流域全体で、中長期的な土砂の需要と供給の情報が共有できていないのが現状である。公共事業、地方公共
団体、地域・民間企業等の土砂の需要サイドの事業を、総合的かつ中長期的に把握ができる仕組みがあれ
ば、地域活用やストックヤードの場所や年数の検討において、効率的な利活用が可能。

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