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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html |
出典情報 | 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》 |
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2/2
総
調査事案名
括
調
査
票
(10)各事業におけるステージゲート等の実態調査
④今後の改善点・検討の方向性
③調査結果及びその分析
1.研究開発評価の実施状況について
1.研究開発評価の実施状況について
研究開発事業について、「(1)特に不確実性が高いことから、進展に応じて厳格な審査を行いながら成果
に結びつけるステージゲート評価及び昇格審査(SG評価)を行う事業」と「(2)事前評価(採択評価含む)
を厳格に実施した上で中間年等に評価(中間評価)を行う事業」に分けて分析する。
(1)SG評価の実施状況
【図1】SG評価による課題の計画等の見直しの状況
(n=313)
SG評価を実施している8事業(313課題)のうち、SG評価の結
0.0%
予算額を増額した課題
果、約7割の課題について計画等の見直しを実施していた。
15.3%
予算額を減額した課題
25.9%
ただし、事業単位で更に分析すると、全課題で見直しを行った
終了した課題
事業が4事業と半数を占める一方、1割程度の見直しにとどまる
6.4%
その他の見直し
52.4%
事業が1事業、全く見直しを行わなかった事業が1事業あり、事
見直さなかった課題
業の運用で差が見られた。
○
SG評価は、研究開発マネジメントにおいて有効とされる。
この効果を発揮させるには、事業における競争原理を適切
に働かせる必要があるが、事業により運用の差が見られる
ことから、事業開始段階におけるSG評価の通過数等の設定
等を徹底すべきである。
○
【図2】中間評価による課題の計画等の見直しの状況
(2)中間評価の実施状況
(n=136)
5.1% 2.9%
0.7%
中間評価を実施している12事業(136課題)のうち、中間評価
予算額を増額した課題
4.4%
の結果、1割強の課題で計画等の見直しを行う一方、9割弱の課
予算額を減額した課題
題では見直しを行っていなかった。
終了した課題
86.8% ※
この結果は、計画どおり順調に進捗したとも考えられるが、更
その他の見直し
に、見直しの割合が1割未満の事業における毎年度の実績報告の
見直さなかった課題
活用状況を確認したところ、健康・医療分野を中心に、研究や調
達の進捗管理に主眼が置かれ、研究計画等に十分フィードバック ※中間評価を実施している課題のうち健康・医療分野
の課題の割合は64.0%、見直さなかった課題に占める
なされず、研究の質の向上に活用されていないおそれがある。
割合は66.9%
事前評価を厳格に行っていても、中間評価が進捗管理に
とどまり、研究の質の向上に活用されていないおそれが
ある。そのため、SG評価が望ましい事業は、SG評価による
評価を徹底するとともに、中間評価による評価を行う事業
は、中間評価の枠組みを活用して、課題の終了・減額等を
含めた計画等の見直しが徹底されるように、厳格に運用す
べきである。
【参考5】「研究開発支援の経済学」
(岡室博之・西村淳一箸)
経済産業省の「地域新生コンソーシアム研究開発事業」を対象に分析を行い、
「研究開発の進捗を定期的に監視するとともに、中間評価の結果に応じて補
助金を減額する、あるいはプロジェクトを中断するという、何らかのペナル
ティに関する契約上のオプションを設けることは有効である」としている。
2.文科省評価指針について
○
2.文科省評価指針について
【図3】文部科学省における競争的研究費制度の
予算額(補正後)の推移
(令和元年度を100とする)
文部科学省に聞き取りを行った結果、平成26年度の調査以降、海
200
外動向の調査等がなされず把握できていなかったことが分かった。
183.9
また、SG評価等の主な対象となる公募型研究開発事業が大宗を占
める競争的研究費制度の予算額推移を調べた結果、令和元年度から
令和4年度にかけて急増するなど、国内の研究評価を取り巻く環境
は変化しているが、文部科学省においては、大綱的指針(平成28年
12月)の決定を受けた平成29年の改定以降、文科省評価指針の改定
はされていなかった。
180
150.7
160
140
120
100
100
【参考4】
経済産業省においては、研究開発における環境の変化や研究評価における課題等
を踏まえ、経済産業省研究開発評価指針の改定を令和4年度に実施している。
92.1
【参考6】「歴史的転換における財政」
(令和5年5月29日財政制度等審議会)
令和2
総合科学技術・イノベーション会議(及び事務局)は、本来、関係省庁に対
する司令塔機能を発揮することが期待されており、施策の優先順位付け、さ
らには省庁間の施策の整理などを推進することが強く求められる。
80
令和元
前回の指針改定以前から、海外の動向把握ができていな
いことから、次期改定に向けて、適切に調査・分析を行う
べき、また、足元で研究開発を取り巻く状況が大きく変化
しているにもかかわらず、その動向等を踏まえた文科省評
価指針の改定が行われていないことから、改定を速やかに
検討すべきである。
その際、省庁間の施策の整理等に資するよう、内閣府
(科学技術・イノベーション推進事務局)や関係省庁の動
向も踏まえたものとすべきである。
令和3
令和4
(年度)
27
総
調査事案名
括
調
査
票
(10)各事業におけるステージゲート等の実態調査
④今後の改善点・検討の方向性
③調査結果及びその分析
1.研究開発評価の実施状況について
1.研究開発評価の実施状況について
研究開発事業について、「(1)特に不確実性が高いことから、進展に応じて厳格な審査を行いながら成果
に結びつけるステージゲート評価及び昇格審査(SG評価)を行う事業」と「(2)事前評価(採択評価含む)
を厳格に実施した上で中間年等に評価(中間評価)を行う事業」に分けて分析する。
(1)SG評価の実施状況
【図1】SG評価による課題の計画等の見直しの状況
(n=313)
SG評価を実施している8事業(313課題)のうち、SG評価の結
0.0%
予算額を増額した課題
果、約7割の課題について計画等の見直しを実施していた。
15.3%
予算額を減額した課題
25.9%
ただし、事業単位で更に分析すると、全課題で見直しを行った
終了した課題
事業が4事業と半数を占める一方、1割程度の見直しにとどまる
6.4%
その他の見直し
52.4%
事業が1事業、全く見直しを行わなかった事業が1事業あり、事
見直さなかった課題
業の運用で差が見られた。
○
SG評価は、研究開発マネジメントにおいて有効とされる。
この効果を発揮させるには、事業における競争原理を適切
に働かせる必要があるが、事業により運用の差が見られる
ことから、事業開始段階におけるSG評価の通過数等の設定
等を徹底すべきである。
○
【図2】中間評価による課題の計画等の見直しの状況
(2)中間評価の実施状況
(n=136)
5.1% 2.9%
0.7%
中間評価を実施している12事業(136課題)のうち、中間評価
予算額を増額した課題
4.4%
の結果、1割強の課題で計画等の見直しを行う一方、9割弱の課
予算額を減額した課題
題では見直しを行っていなかった。
終了した課題
86.8% ※
この結果は、計画どおり順調に進捗したとも考えられるが、更
その他の見直し
に、見直しの割合が1割未満の事業における毎年度の実績報告の
見直さなかった課題
活用状況を確認したところ、健康・医療分野を中心に、研究や調
達の進捗管理に主眼が置かれ、研究計画等に十分フィードバック ※中間評価を実施している課題のうち健康・医療分野
の課題の割合は64.0%、見直さなかった課題に占める
なされず、研究の質の向上に活用されていないおそれがある。
割合は66.9%
事前評価を厳格に行っていても、中間評価が進捗管理に
とどまり、研究の質の向上に活用されていないおそれが
ある。そのため、SG評価が望ましい事業は、SG評価による
評価を徹底するとともに、中間評価による評価を行う事業
は、中間評価の枠組みを活用して、課題の終了・減額等を
含めた計画等の見直しが徹底されるように、厳格に運用す
べきである。
【参考5】「研究開発支援の経済学」
(岡室博之・西村淳一箸)
経済産業省の「地域新生コンソーシアム研究開発事業」を対象に分析を行い、
「研究開発の進捗を定期的に監視するとともに、中間評価の結果に応じて補
助金を減額する、あるいはプロジェクトを中断するという、何らかのペナル
ティに関する契約上のオプションを設けることは有効である」としている。
2.文科省評価指針について
○
2.文科省評価指針について
【図3】文部科学省における競争的研究費制度の
予算額(補正後)の推移
(令和元年度を100とする)
文部科学省に聞き取りを行った結果、平成26年度の調査以降、海
200
外動向の調査等がなされず把握できていなかったことが分かった。
183.9
また、SG評価等の主な対象となる公募型研究開発事業が大宗を占
める競争的研究費制度の予算額推移を調べた結果、令和元年度から
令和4年度にかけて急増するなど、国内の研究評価を取り巻く環境
は変化しているが、文部科学省においては、大綱的指針(平成28年
12月)の決定を受けた平成29年の改定以降、文科省評価指針の改定
はされていなかった。
180
150.7
160
140
120
100
100
【参考4】
経済産業省においては、研究開発における環境の変化や研究評価における課題等
を踏まえ、経済産業省研究開発評価指針の改定を令和4年度に実施している。
92.1
【参考6】「歴史的転換における財政」
(令和5年5月29日財政制度等審議会)
令和2
総合科学技術・イノベーション会議(及び事務局)は、本来、関係省庁に対
する司令塔機能を発揮することが期待されており、施策の優先順位付け、さ
らには省庁間の施策の整理などを推進することが強く求められる。
80
令和元
前回の指針改定以前から、海外の動向把握ができていな
いことから、次期改定に向けて、適切に調査・分析を行う
べき、また、足元で研究開発を取り巻く状況が大きく変化
しているにもかかわらず、その動向等を踏まえた文科省評
価指針の改定が行われていないことから、改定を速やかに
検討すべきである。
その際、省庁間の施策の整理等に資するよう、内閣府
(科学技術・イノベーション推進事務局)や関係省庁の動
向も踏まえたものとすべきである。
令和3
令和4
(年度)
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