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本文 (58 ページ)

公開元URL https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program/#document
出典情報 デジタル社会の実現に向けた重点計画(6/7)《デジタル庁》
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6.デジタル産業の育成
我が国が目指すべきデジタル社会を実現するためには、民間事業者の創意工夫の下に多種
多様なサービスがデジタル空間を通じてセキュアかつ安定的に国民に提供されることが必要
である。そのためには、IT インフラやソフトウェア開発環境等を提供するクラウドサービス
産業や、サイバーセキュリティ産業、それらを活用して多種多様なデジタルサービスを迅速に
提供するプレーヤー等から構成されるデジタル産業の育成が不可欠である。
(1)デジタル産業の現状と課題
事業環境の変化に柔軟に対応でき、最新技術の導入が容易である等の理由からクラウド
サービスの利用者は、近年増加傾向にある。今後、その利用は企業や官公庁等の基幹システ
ムや、社会インフラの制御といった領域に拡大していく見込みであり、社会・経済活動にお
ける基盤として、クラウドサービスの重要性は更に増していく。一方で、通信・コンピュー
タ・情報サービス分野における我が国の貿易収支は、年々赤字が拡大しており、クラウドサ
ービス等において海外への依存度の高まりが顕在化している(令和3年度(2021 年度)
:1.7
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兆円の貿易赤字=10 年前の約 6.5 倍の水準) 。自社・自国の重要なシステムを海外に依存
し、自律性をもって安定的な事業継続性を確保できない状況は、各社における BCP や経済安
全保障の観点から大きなリスクとなり得る。
また、デジタルサービスの多くはスタートアップ等による新しいアイデアから生み出さ
れていることから、その原動力となるスタートアップの創出や、デジタル産業の担い手とな
る人材の供給がデジタル産業の基礎である。しかしながら、ベンチャー資本等を指標として
いる「資本」では 37 位、
「人材」では 47 位の地位に甘んじている56。
こうした厳しい現状を認識した上で、我が国に根ざしたデジタル産業の育成に向けた取
組を加速していく必要がある。
(2)デジタル産業の育成に向けた取組の方向性
① クラウドサービス産業の育成
既にデジタル社会における重要な社会基盤となりつつあるクラウドサービスについて、
海外に過度に依存することなく我が国が自律的にそのサービス提供能力を確保するために
は、我が国に根ざしたクラウドサービス産業を育て、競争力を高めていくことが不可欠であ
る。今後、よりクラウドサービスがミッションクリティカルな領域へと拡大していくことが
予想される中、クラウドのセキュリティレベルの高さやサービスの継続性は競争力の重要
な一要素となると考えられ、これらは我が国が強みを発揮でき得る部分でもある。こうした
分野において競争力を高めていくため、民間や政府等のユーザー側のニーズとすり合わせ
ながら、クラウド技術の開発を支援していく。さらに、価値の源泉であるデータの利活用を
これまで以上に進めるため、
セキュアにデータを管理する技術・仕組みを開発するとともに、
高度な情報処理を革新的なサービスの創出や社会課題の解決に応用するため、量子コンピ
ュータやスーパーコンピュータ、AI コンピュータ等の次世代の計算基盤を整備していくこ
とで、我が国デジタル産業の育成に取り組んでいく。
② IT スタートアップ等の育成
我が国のデジタル産業を強化し、同時に国内において多種多様なデジタルサービスを社
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財務省「国際収支」より引用。令和3年度(2021 年度)は速報値。
「世界デジタル競争力ランキング 2021」から引用。

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