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資料2 防衛 (18 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20251111zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(11/11)《財務省》
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先端的研究事業において成果を生み出す運用のあり方
○ 防衛省は、防衛イノベーションや画期的な装備品等を生み出す機能を強化するため、先端的研究事業を通じて、民間技術を活用し
た革新的・萌芽的技術の発展・育成を行ってきたが、これまで装備品の開発に繋がった実績はなく、国民の目に見える成果を生み出し
ていくことが必要。
○ そのためには、研究を「やりっ放し」にせずに、研究終了後の状況を体系的に把握するためのフォローアップの仕組みを設けることで、研
究結果を最大限生かすよう取り組むべきではないか。その上で、研究委託・補助先のコミットメントを高めるため、得られた成果に対して
報酬やインセンティブを与える方法の導入も考えるべきではないか。また、成果の見込みが低いものについては、中間評価での事業終了
や予算額の減少等を厳格かつ透明性をもって運用するなどの対応を行うべきではないか。
○ その中でも、「ブレークスルー研究」は、高リスクであるにもかかわらず、評価や選定に関する具体的な運用基準等が定められていないま
ま、研究テーマの選定が進んでいる状況であり、早急に運用体制を整えることが不可欠。
◆研究先・補助先のコミットメント向上の課題

◆先端的研究事業の内容
①安全保障技術研究推進制度
大学等における革新的・萌芽的な
技術についての基礎研究を公募する
制度

(H27~)
(R7・114億円)

②先進技術の橋渡し研究
民生分野で得られた研究成果等の中から、革新
的な装備品の研究開発に資する有望な先進技術
を育成し、防衛用途に取り込むための制度

(R7・175億円)
(R2~)

③ブレークスルー研究
チャレンジングな目標にリスクを取って果敢に挑戦し、将来の戦い方を大きく変える機能・技術
をスピード重視で創出していく制度
(R6~)
(R7・201億円)
(注)上記予算額はいずれも契約ベース

◆フォローアップの課題

・令和6年度に公表された予算執行調査によれば、安全保障技術研究推進制度の研究終了
事業(82件)のうち、継続事業(48%)のフォローアップがされていなかった。
・令和6年度以降、終了案件をすべてフォローアップするよう運用が改められているが、防衛装備
品に繋がるか否かの判断項目やフォローアップ期間など、運用方法が制度化されていない。
(参考)令和6年度に公表された予算執行調査の内容(安全保障技術研究推進制度)
自機関で継続しているもの
22
27%

終了案件
(H27~R5)
他府省の研究で継続しているもの
17
21%

その他
43
52%

(単位:件)

左記の継続事業(39件)について、「将来的に防衛分野
での研究開発につながりうる成果を挙げているかという観点か
らのフォローアップ調査はされていなかった」。
(出所)防衛省資料に基づき財務省作成。

・先端的研究事業では、委託・補助先の大学や企業等において自己負担が生
ずることがない。特に、安全保障技術研究推進制度は、「防衛装備品にすぐ
に適用可能な研究を求めているものではありません」「研究の内容に介入する
ためのものではありません」と公に示す等、成果への関与が難しい特性。
・他分野では、成果へのインセンティブを設ける研究制度も存在。
(参考)懸賞金制度
様々なアイデアやアプローチをコンテスト形式
により競わせ、目標水準以上の成果を上げた
上位数者に賞金を支払う。

[イメージ]

[イメージ]
1位 懸賞あり(1000万円)
2位 懸賞あり(500万円)
3位 0円
4位 0円

(参考)インセンティブ制度
委託又は補助において、必要経費の一定額を支
払いつつ、評価のタイミング等において、成果に連動
したインセンティブを支払う。
評価時に成
果に応じてイ
ンセンティブ
を支払い

(必要経費)
自己負担

目標水準

国負担

1年

2年

3年(評価)

(出所)第5回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会(2022年3月)に基づき財務省作成。

◆中間評価・ブレークスルー研究の運用体制の課題
・安全保障技術研究推進制度では、中間評価37件中1件のみ中止(~R5)。
ステージゲートがある先進技術の橋渡し研究と対照的(55件中13件が中止)。
・ブレークスルー研究では、既に先導研究を開始しているが、本格研究への移行
時におけるステージゲートの設定基準など、運用体制が十分に整っていない。
(参考)橋渡し研究のステージゲートのイメージ(各Phaseへの移行時には継続案件を選定)
Phase 1
先進技術の特定、
成果構想の作成 等

Phase 2
技術の成立性、実用化の
イメージ明確化

Phase 3
実用化に向けた目標設定・
課題の明確化

Phase 4
装備品適用時の機能・
性能の実証

(出所)防衛省資料に基づき財務省作成。

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