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資料 (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24270.html
出典情報 医療分野における仮名加工情報の保護と利活用に関する検討会(第6回 6/30)《厚生労働省》
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観察・医療など危機時に弱いところに負荷がかかったことも事実である。

また、通常医療に用いている病床を新型コロナ病床として確保するには、

医師・看護師の派遣や入院患者の転院など、多くの調整が必要になり、平

時から、そのための仕組みやルールなどを定めておかなければならない。
しかし、実際には、医療機関などの現場は、感染症危機発生後に行政から
の要請や協定に基づいて対応せざるを得なかった。

加えて、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等に相談・受診できる

体制の確保にも時間を要した。さらに、今回、パンデミックの初期段階に
おいて、感染状況等の情報の収集が不十分であり、また、医療用物資の不
足や検査・病床確保などの保健・医療提供体制の立ち上げ等に相当の困難
があった。


こうしたことに鑑みれば、
「新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会
報告書」
(2010 年)等の提言があるにもかかわらず、新型インフルエ

ンザの流行後にとられた対応が、平時に危機意識が薄れたことや初動から
の保健・医療提供体制の構築について現場レベルのオペレーションに落と

し込まれていなかったことなどから、不十分だったと言わざるを得ない。
3.政府の取組から見える課題

人獣共通感染症が脅威となる中、新型コロナウイルス感染症を含め、

様々なウイルス感染症がこれからもパンデミックを繰り返し、国家的危機

に直面する可能性がある。次の感染症危機に備え、今回の教訓を踏まえ、
危機時にオールジャパンで取り組めるよう、有事における法規制整備、

様々な立場から情報を収集・分析できるような体制づくり、地方公共団体
が安心して情報提供できるような環境整備、基礎研究も含めた研究環境の
向上などを推進することは急務であり、それが、感染拡大防止の実効性を

高めるとともに、感染症対策の社会的負荷をできるだけ軽減することにつ
ながる。

今度こそ、次の危機までに行うべき取組の実施を確実なものにするため、

様々な課題について、優先順位、時間軸を含めて整理し、中長期的対応の
具体策を策定する必要がある。PDCA サイクルを回し工程管理を行いなが

ら事前の準備を十分行い、感染症危機発生時には、感染症の特性も踏まえ
た必要な対策が、より迅速かつ効果的に行われる必要がある。

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