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【本文】税・財政・社会保障一体改革に関する基本的考え方 (20 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/018.html |
| 出典情報 | 日本経済団体連合会 Policy(提言・報告書) 経済政策、財政・金融、社会保障(4/14)《日本経済団体連合会》 |
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が3割負担である一方、70 歳から 74 歳が原則2割負担、75 歳以上が原則1割
負担となっており、所得に応じて最大で現役世代と同率である3割負担となる。
介護保険制度における利用者負担割合は、原則1割とされており、医療保険制度
と同様に所得に応じて、2割負担、3割負担となる場合がある。
このように、所得を負担能力の判断基準においているが、高齢者は現役世代に
比べて稼働所得が少ない一方、多額の資産を有しているケースがある。マクロレ
ベルでは、金融資産の約6割を高齢者が保有しているとの推計もある9。
そこで、応能負担の徹底の観点からは、所得だけでなく資産も含めて負担能力
とし、自己負担や利用者負担割合について、見直しを検討すべきである。
⑤ 第3号被保険者制度の見直しとさらなる適用拡大の推進
(2)①では給付付き税額控除による「年収の壁」への対応を提言したが、
「年
収の壁」を生じさせている第3号被保険者制度については、導入された 1986 年
以降、女性の就労が進み、現状では共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回る状
況にある。そこで、給付付き税額控除の導入状況を踏まえつつ、次期年金制度改
正で、第3号被保険者制度について、廃止も含めた見直しを行うべきである。
仮に第3号被保険者制度を廃止した場合、国民年金保険料や国民健康保険料
といった負担が生じるようになる。他方で、様々な理由で十分に就労ができない
場合もあるので、配偶者の所得が低い場合には、給付付き税額控除で負担軽減を
図ることが考えられる。また、配偶者の所得が高い場合でも、
「壁」が生じない
よう、給付付き税額控除を活用して対応することが考えられる。
このほか、社会保険の適用拡大をさらに推進することも、働き方に中立な制度
を作る観点から重要である。企業規模要件は 2035 年までに廃止されるが、残る
労働時間要件(20 時間以上)についても、次期年金制度改正で、引き下げを図
るべきである。その場合、
「年収の壁」の位置も引き下がっていくため、それに
応じて給付付き税額控除の給付水準等も見直していく必要がある。
8.おわりに
本提言では、税・財政・社会保障の政策的枠組みが大転換を迎える歴史的な機
会を捉え、その基本的考え方について提言した。
とりわけ、
「社会保障国民会議」については、その役割が大いに期待されると
ころである。名に「国民」を冠する通り、広く国民を議論に巻き込んでいくこと
9
たとえば、60 歳以上の保有金融資産は家計金融資産全体の 62%を占めるとの推計がある。
https://www.dlri.co.jp/report/macro/495378.html
18
負担となっており、所得に応じて最大で現役世代と同率である3割負担となる。
介護保険制度における利用者負担割合は、原則1割とされており、医療保険制度
と同様に所得に応じて、2割負担、3割負担となる場合がある。
このように、所得を負担能力の判断基準においているが、高齢者は現役世代に
比べて稼働所得が少ない一方、多額の資産を有しているケースがある。マクロレ
ベルでは、金融資産の約6割を高齢者が保有しているとの推計もある9。
そこで、応能負担の徹底の観点からは、所得だけでなく資産も含めて負担能力
とし、自己負担や利用者負担割合について、見直しを検討すべきである。
⑤ 第3号被保険者制度の見直しとさらなる適用拡大の推進
(2)①では給付付き税額控除による「年収の壁」への対応を提言したが、
「年
収の壁」を生じさせている第3号被保険者制度については、導入された 1986 年
以降、女性の就労が進み、現状では共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回る状
況にある。そこで、給付付き税額控除の導入状況を踏まえつつ、次期年金制度改
正で、第3号被保険者制度について、廃止も含めた見直しを行うべきである。
仮に第3号被保険者制度を廃止した場合、国民年金保険料や国民健康保険料
といった負担が生じるようになる。他方で、様々な理由で十分に就労ができない
場合もあるので、配偶者の所得が低い場合には、給付付き税額控除で負担軽減を
図ることが考えられる。また、配偶者の所得が高い場合でも、
「壁」が生じない
よう、給付付き税額控除を活用して対応することが考えられる。
このほか、社会保険の適用拡大をさらに推進することも、働き方に中立な制度
を作る観点から重要である。企業規模要件は 2035 年までに廃止されるが、残る
労働時間要件(20 時間以上)についても、次期年金制度改正で、引き下げを図
るべきである。その場合、
「年収の壁」の位置も引き下がっていくため、それに
応じて給付付き税額控除の給付水準等も見直していく必要がある。
8.おわりに
本提言では、税・財政・社会保障の政策的枠組みが大転換を迎える歴史的な機
会を捉え、その基本的考え方について提言した。
とりわけ、
「社会保障国民会議」については、その役割が大いに期待されると
ころである。名に「国民」を冠する通り、広く国民を議論に巻き込んでいくこと
9
たとえば、60 歳以上の保有金融資産は家計金融資産全体の 62%を占めるとの推計がある。
https://www.dlri.co.jp/report/macro/495378.html
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