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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ●1 罹患後症状

4.病態機序
「罹患後症状」の病態機序は不明な点が多い.諸説あるが,
ウイルスに感染した組織(特に肺)
への直接的な障害,ウイルス感染後の免疫調節不全による炎症の進行,ウイルスによる血液凝
固能亢進と血栓症による血管損傷・虚血,ウイルス感染によるレニン・アンジオテンシン系の
調節不全,重症者の集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)などがあげ
られている.

5.今後の課題
罹患後症状の報告は世界的にも増えているが,注意すべき点がある.これまでの報告は,罹
患者のみを対象とした観察研究が中心であり,非罹患者を対照群とした疫学研究が不足してい
ること,また多数の文献が査読前論文であることなどから,各症状と COVID-19 との関係を
結論づけることは難しい.パンデミック下においては,対照群となる非罹患者もさまざまな事
情により各種の症状もきたしやすい状況ともいえる.また,確定診断の有無,感染者の年齢・
重症度,専門外来受診患者・自宅/宿泊施設療養患者・入院患者等の研究対象集団の設定の違
いにより大きく調査結果が異なる可能性があることにも留意する必要がある.また,ワクチン
接種の有無による影響についても検討が必要になると考える.英国健康安全保障庁(UKHSA)
より COVID-19 罹患後症状とワクチン接種の関係についてのレビューが最近公表されており,
さまざまな制限があるものの,COVID-19 罹患前および罹患後のワクチン接種により,ワクチ
ン接種者ではワクチン未接種者と比較して COVID-19 罹患後症状の出現が少ないという研究
が報告されている.
上記を含め,これらの罹患後症状は時間の経過とともにその大半は改善すると考えられるが,
一部残存した罹患後症状がさらに長期の経過観察でどのように推移するか,また感染株の違い
による影響についても,今後の検討課題である.
以上,罹患後症状に関しては,まだ不明な点は多いものの,時間経過とともに発現率が低下
する傾向があり,個々の症状への現段階での対処法に関しては,各章を参照されたい.

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