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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ

4.フォローアップすべき所見・症状
COVID-19 の診断後 2 週間以上経過しても嗅覚・味覚障害が続く場合は,近くの耳鼻咽喉科
を受診する.嗅覚脱失(「におい」がまったくしない)

嗅覚低下(
「におい」が弱い)

味覚脱失(味
が全くしない),味覚低下(味が弱い)以外にも次のような異嗅症,異味性があれば受診する.
【異嗅症】
自発性異嗅症:常に「におい」が鼻や頭でしている,突然「におい」がないところでも「におい」
を感じる.
刺激性異嗅症:嗅いだ「におい」がこれまでと違う,どの「におい」も同じに感じる.
【異味症】
自発性異味症:常に口の中が苦い,甘いなど
刺激性異味症:食べたり飲んだりしたものの味がこれまでと違う,すべての味が苦い,甘い
など

5.プライマリケアにおけるマネジメント
【嗅覚障害】
鼻腔内の内視鏡による観察,嗅覚検査など耳鼻咽喉科専門診療が必要であり,耳鼻咽喉科へ
紹介する.嗅覚検査が必要と思われる場合は,嗅覚外来を有する専門医療機関への紹介が好ま
しい.
【味覚障害】
味覚障害の原因として,口腔乾燥症(シェーグレン症候群を含む)
,口腔真菌症などの局所の
病変の他,亜鉛欠乏,さまざまな薬物,鉄欠乏性貧血,ビタミン B1 や B12 の欠乏,全身疾患(糖
尿病,肝疾患,腎疾患,悪性腫瘍)
,心因性(ストレス,双極性障害など)があげられるため,
それらの診断のための病歴聴取,口腔内の診察,血液検査を行う.
病歴聴取にあたっては,
味覚障害が嗅覚障害に伴う風味障害であることが多いため,
嗅覚障害,
嗅覚異常の有無を聴取することが重要である.

6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング
【嗅覚障害】
発症後2週以上経過しても嗅覚障害が続く場合は,耳鼻咽喉科専門医を紹介する.
【味覚障害】
味覚障害があり,味覚検査が必要と思われる場合は,味覚検査が行える専門病院を紹介する.

7.専門医・拠点病院でのマネジメント
【嗅覚障害】
『嗅覚障害診療ガイドライン』を参考とする.
鼻内視鏡検査は不可欠である.可能であれば CT を施行する.嗅覚検査が行えない場合は,
行える病院への紹介が望ましい.内視鏡検査では中鼻道のみならず嗅裂まで観察する.一見,
正常に見えても嗅裂のみの閉塞を認めることがあるためである.
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