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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 10 小児へのアプローチ

は,複数の学校において無作為に SARS-CoV-2 抗体検査と質問票による調査を行ったもので,
population-based seronegative control との比較が行われたことにある.つまり,研究対象
となった年齢群は元々非特異的な愁訴が多く,それにコロナ禍の心理社会的ストレスが拍車を
かける形となっているために,COVID-19 罹患の有無に関わらず,多くの子どもたちに罹患後
症状が認められたと考えられる.
以上の研究結果をまとめると,①小児でも罹患後症状を有する確率は対照群と比べるとやや
高く,特に複数の症状を有する場合が多い.②成人での報告と比べると少なく,特に年少児は
年長児と比べて少ない.③症状の内訳は,
嗅覚障害を除くと,対照群との間に大きな違いはない.
④対照群においてもメンタルヘルスに関わる症状を含め,多くの訴えが認められる.⑤対照群
を population-based seronegative control とした研究では,症例群と対照群との間に罹患後
症状の有病率の有意差を認めない.
したがって,小児の罹患後症状を単一の疾患概念として捉える根拠には乏しく,何か画一的
な治療法がすべての患児に適しているとも考えにくい.鑑別診断もしくは付加的な診断を行う
ことも必須であり,メンタルヘルスの専門家を含めた多職種のチームが対応に当たることが求
められる.

3.症状へのアプローチ
図 10-1

診療のフローチャート

呼吸器症状
循環器症状
嗅覚・味覚症状
精神・神経症状









訴えをしっかり
受け止め,信頼関係
を構築した上で,必
要に応じて高次医療 二

機関へ紹介する




痛み

問診・身体診察・基本的検査*1
新起立試験*2
心身症としてのODチェックリスト*2

身体的治療
傾聴・助言

身体的治療
傾聴・助言














小児科
各subspecialties
小児心療内科
児童精神科
ペイン・クリニック
校医・養護教諭
スクール・カウンセラー
臨床心理士・公認心理師
その他

器質性疾患の除外
詳細な情報収集・心理検査による
心理社会的因子の評価

身体的治療・環境調整・カウンセリング・
認知行動療法

*1: 内 容は3~7章を参照
*2: 小児期は起立性調節障害(OD)のような自律神経機能不全を発症しやすく,ODが心身症となることが少なくない.

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